滝沢という人はチビで頭でっかちだった。童顔で口もでかい。
加藤は滝沢の分析をよくしていて、髪型は口のでかさを隠すため、ブーツはシークレットシューズとか言っていた。でも髪型で頭のでかさまでは隠すことはできず、ブーツでも童顔までは隠すことはできなかった。女の前ではエリートぶるも、絶対に調和していないところが面白かった。
滝沢はさすが2頭身というだけあって物知りだった。
「俺ゲーム興味ねーから」とか女の前ではいうわりに、ドラクエUのゆうていきむこうみやおうのパスワードやスーパーマリオワールドの128面全部覚えていてワープのワープのワープをせず完全制覇できる。この土管入るとどこに出るか、ということが全部わかっていた。
野球の知識は僕とシンクロしていた。ナゴヤ球場にて、巨人の斉藤が九回までノーヒットノーランピッチングをしていた。西本も好ピッチングだが3-0で巨人がリードしていた。あぁこのままノーヒットノーランなの?と思ったら音がヒットを打ち、あの当時ホームラン王だった彦野はショートフライで小松崎か仁村か誰かが二塁打のタイムリーを打ち3-1で、四球があって最後は落合のサヨナラ逆転ホームランを打った。そんな劇的な試合が小学生の頃にあったのだが、その試合のこととか、他にもいろいろ、僕が覚えている事をほとんどすべてこいつはカバーしている、という感じでうれしかった。僕がうれしい知識をもっている人は基本的にオタクだった。