10月22日
わたる君は数学が好きだけれど数学の授業中にはずっと外を眺めたままでいる。末永先生は「授業なんて聞かなくても解けるってか?わたるくん」と突っ込んだけれど僕は数学の時に見る外の楽しさがわかるからみんなと一緒に笑えなかった。わたる君は一応笑い返していた。

11月29日
秋になって授業がきもちいい。帰りの電車も夕暮れになっていて綺麗。帰ってからごはんができるまで本を読んでいると夢中になれる。それに現実に夢が沸き起こってるようなときがある。

11月4日
デジカメにこだわりすぎたせいでこの視界もデジタル的なアルゴリズムによって測られているような心地がする。

11月5日
一度やってしまうと自制心弱るから難解になる。
まだ閉門が修復されてないから何かが行き来する。目を覚ました性獣の雄たけびがおーがおー聞こえてくる。そういうときは僕には捉えきれない世界があるかのようだ。だから今はストイックに生きて、頭を盗まれないようにする。

11月8日
今日は藤田と遊んだ。僕の喋り方を真似してきて、そんなに変な喋り方してるかなぁという感じ、藤田の顔とかすごくて笑いが止まらなかった。藤田は変なやつ。あんな変なやつは見たことがない。

11月10日
水野と期末勝負するからWritingやった。あと漢字ぜんぶ覚えた。

11月11日
今日は猫の調子が変。昨日は夜中に犬が騒がしかった。風も台風みたいに強いし月は氷のように輝いている。何かが来た気がする。

11月15日
僕たちには感じ取れるものが年寄りには感じ取れないときがある。

11月18日
今日の天気は幻想的で五時間目が特に変だった。わたる君はいつも外を眺めたままでいるから変だということに気が付いていたのかな。「ナニがそんなに面白いのかね?」と田島先生は突っ込んだけれど僕は今日の異様がわかるからみんなと一緒に笑えなかった。わたる君も笑っていたけれど本当は不機嫌そうでこわかった。