ケーブルの世界は「唯一絶對」が生まれやすいけれど、それはパワースポットと同じでわかりにくいからだと思う(わかる人には目隠しでもわかるけど)。集中力を使うと無駄な努力にしたくないから固着した論理に頑なになってしまうけど、何度でも自分の定説を覆したほうがよいだろう。あとで後悔するから。循環論法形式でメビウス状に循環して揺るぎないもの状態になると毀損されても唯一絶對であり続けるけど、本質的には必ずそうとも限らず、物理的にはぐらついているかもしれない。論点先取の無条件勝利宣言された前提条件があるだけである。『唯一絶對』…それが我々の神を、ケーブルを、讃えるメタフィジックな語法から来ているのでなければ、心を安定させる仕組みから来ているものだろう※。 至高なものや法則性を追求する過程で享受した喜びがある。君子豹変す。ステレオタイプは常に固定化するが、ギフテッドは常に変わることを求める。享受した喜びが消えたら、また求める。世の中の1%を天才、2%を努力の人、94%を人格的に問題のない人、3%をその他と仮定したら、取っ替え引っ換えしてるオーディオマニアはその他の3%だろうか。ベツニいいのですよ。音の違いがわからないなら別のことをしていればよい。ケーブルの違いやパワースポットのパワーはわかればより深い楽しみを味わえるから全ての人にわかってほしいものだけど、3%の変人でわかり合ってればよいのです。しかし聴力とか好奇心があるなし以前に、ケーブル替えても変わらない部位もある (注意。そこで断定すべからず)。パワーのないパワースポットもある。ケーブルの音の違いを楽しむには、まず音の違いが大きく出る部位(レコードプレイヤーや、プリ⇔パワー間のアンバランスケーブル)や環境(電源ケーブルの違いなら集合住宅)等の条件が必要。継続して実験し、本当にわかりさえすれば、解像度やfレンジやノイズ比などの「量」の問題以外にも、音色・味わいや音楽性などの「質」の問題がわかってくるから、これが唯一絶対のケーブルというものはあまりない。単線には単線の音の出方があり、多芯でも撚り方で音が変わる。銅と銀は電気抵抗値はほぼ変らないが、それぞれに音色が違う。でもケーブルの音の違いが出ていないか集中力が廃れた場合、「唯一絶對」というレッテルは、これが唯一絶對だと固定化してそれ以上は考えたくないと願望するところからくる。 ※ 霊感のない者は霊の存在や理論を全肯定したり全否定したりする。そのどちらかになる。ケーブルの音の違いも、わからない人は誰かの説を鵜呑みにしやすいし、その反対に、ケーブルの違いなど絶対に無いものとしてオッカムの刃にかけ、肯定するものが完全に存在しなくなるまで攻撃を続けるものである。それは自然界の勝利者となって不安を回避したい人間の素性であるが、それでは本質的には解決されない。わからない人は絶対だとされているものを疑わないといけない。 メッキをすると音に色づけが加わる。その色づけを嫌う理由は表皮効果で電位差が生じているから違和感を覚えるという類いのものならともかく、本来の銅の音ではないからという理由となると疑問である。あらゆる物体には「固有振動音」がある。それに銅自体、結晶粒界がクセとか個性を生みだしているはず。パイオニアなどが昔廉価でも採用していたPCOCCのケーブルは聞きやすく温かみがあった。当たり前のようにニュートラルだった。スタジオで使われているからモガミとかベルデンがよいというのならスピーカーとかアンプの中の配線にもモガミ2497とかベルデン8412を使わないといけなくなる(そもそもベルデン8412はスタジオでは使われていないらしい…その情報から疑わないといけないのか[URL])。音楽信号は基盤の銅箔を通過している。それはどう考えたら良いのか。スタジオ系のケーブルがスタジオに採用されている理由は、安くて品質が良いし熱に強くて変質しにくいし軟質で曲げやすいし金属のシールドメッシュ採用で機械的な強さがありスタッカード型等でノイズに強く長距離取り回せるからだろう。売り手としても手に入れやすいとかそんな事情も垣間見える。また、スタジオ系のケーブルの音像は、全体よりひとつの楽音の伝達に向いているようにも感じる。冴えた音を出す反面オーケストラのふくよかさが足りないものが多い。ホールトーンを感じることができたにしてもその音色は冷たく、石畳の教会は金属製の教会に、木質のホールはNHKホールになる。それは音がわかりやすく伝えられるか否かに重点が置かれているためである。しかしハイアガりなその音自体がクセであるのになにをもって「ニュートラル」としているのかがわからない。 スピーカーケーブルでも同じく、ベルデン8470とかカナレ4S6よりも音がよいと感じるものはたくさんあった。Zonotone 6NSP-4400 MeisterとかKENWOODの純銀製ケーブルとかチェンマイで買ってきたケーブル(BERKE?Nと読める)とか、TIGLONとかKIMBER CABLEとかTDKとか。 オルトフォンも中の線材は日本製だというしやはり日本の線材は信頼性が高いのだと思うが、用途の違いはあると思う。スタジオとホームオーディオでは想定される距離が違う。機材も違えば音量も違う。(デットストックのWEのケーブルに関しては構造がシンプルだからか抑圧的にならないノリの良い音を出すが若干の解像の薄さは感じる。低音が浅い。僅かにぼかしが入る。線材の限界だと思う。でもその時代を想わせる音は往年の名品と言えるかもしれない。階調表現の独特さは妖艶な音にも結びつき、音像の晴れやかな荒さにはエナジーを感じる。エレキギター等のエレクトリカルの内部配線に使うのは面白いかもしれない)。 ナノテックテクノロジーのケーブルをオーディオフェスタのデモで聴いたときは感動した。無名だからなのかみんなケーブルに興味はないからなのかナノテックテクノロジーの時間帯は僕含め3人しか聞いていなかった。その記録〔オーディオフェスタ2013〕。オーディオの場合、音質と価格はあまり正比例しないところがあるが、安いものは安っぽい響きをする傾向はある。丁度RCA端子のホットピンと同径になるSPケーブルをRCAケーブルにして接続したら愚鈍な音になった。導体抵抗は減っても静電容量や渦電流損失が増しているからだろうか。やっぱ単純にはいかない。良い音のケーブルを作るにも人件費が必要で、自分の機材に合うかどうかの検証努力も必要と思う。 オーディオの世界はオカルトであると言われる(なにもオーディオに限った話ではないと思うが、インドアだし、密教的だし、こだわりのある人にしかわからないし、目に見えない世界だから)。だから自分の耳を信じなくてはいけない。人に讃えられまくっていても、それが公明正大に優秀ならいいけど、金をかけたくない願望を正当化されてるからシンパされてるだけかもしれない。ケーブルにお金をかけたくないとしたら、他人の謳い文句に認知的影響を受けるほどケーブルの音の違いをわかってないのかもしれない。現象は言説で変化するものではない。反対に、ハイエンドオーディオで貪るブランドも、それが本当に音が良くないのであれば凋落するのである。定価は高くなく外観は平凡で所有欲をさほど満たさない日立や三菱や古河電工などのケーブルは、なにより音が良いから、所有する価値感はやがて外観の美しい定価の高い平凡な音のケーブルを逆転する。音の違いがわからないなら高額品は所有する満足感だけで充分ではないのか。なぜそれを糾弾する必要がある。その精神の仕組みの方が問題である。 な ん て 話 は ど う で も よ か っ た <●>_<●> 47Laboratoryの4708の場合もまた唯一絶対的ではあるが、ひとつの結論に達してる。0.4mmという細さの導体は、自重の振動の影響(自分自身が振動体となる事の弊害)を免れるため軽量さを求めての事。振動が発生するとストレーキャパシティが発生する[TRIGUARD解説]。このケーブルは恐らく作った人はもっと細くしたいだろうがそうすると電気抵抗値が上がるし断線しやすくなる。アコリバのSPC-AVはφ0.9mmという太さの導体。これは表皮深さちょうどの太さ。0.4mmという細さは可聴帯域に与える振動の悪影響を合理的に免れる妥結点なんだろう。シールドはない。弊害が多すぎるとの事(4708はOFC線で鏡面加工されてるような美しい導体をしているけど、もしこの4708の導体が古河のPCOCC-Hや日立のLC-OFCとかNanotec-Systemsのナノコロイド含浸処理されたOFC導体だったらどうだったろうなぁとか思う)。 ケーブルの違いがわからない人や、ケーブルなんてオカルトであると唯物的に考えている人こそ、この47研究所の4708を使ってみると面白い。また、音が重たいとか生命力がないと感じている場合は4708は理想的な変化をもたらす。オヤイデのonline-shopで1m280円 (スピーカーケーブルの場合は2本必要)。4708専用RCAプラグ等も用意されている。これまた極端で面白い。 |
音質…3.5mmラインケーブルの場合、とにかく障害物のない開放的な音になる。それは見てのとおりだが、コクを感じるのが摩訶不思議。音の芯が明確なのは単芯だからだけど、そこにコクが伴っている…。比較:MS#207, GS#201nano3 タッチノイズ…ヘッドホンケーブルも作成。ほぼ皆無だった。絶縁体が硬いので爪やバックルなどの硬い物体とぶつかると音が出る。 デメリット…0.4mm単線が断線しやすい。ねじねじくるくるして少し本気出して引っ張ると千切れる。その対策:弧を描いてからはんだづけする。電気の流れを水の流れで考えると導体は直線にするのが理想だけど、旅行中に断線するむなしさに比べたらたいした事ない。絶縁樹脂で固めると尚良い。 その他…はんだの影響力が大きい。断線したものを作り直したら急に音の抜けが悪くなった(残ってるはんだをはんだ吸収線で取り除かず、重ねて溶接したから)。今までそんなに変化は出ないと思ってたけど、きっと4708だからだろうな。作るたびに音が変わる。 |
RCAケーブルを作成。4708は細くて酸化しやすいと思う。すぐに断線するからネジで圧着するプラグで作成。ホット&コールド両方がネジ式のプラグ[URL]なら5分で作業終了。4708ははじめ解像度が弱い感じはしたけど時間が経つとどうでもよくなり、ストレスフリーな開放感を好きになる。ソースによってはきつい音を出すけど。薄いけど圧縮されてない音がしてハイエンド的。湿度感は平均的だが中高域に晴れやかなコクがある。結構太めの音が出る。このケーブルの特徴はわかりやすいけど、音が汚れていないからその特徴も心地よい。 |
フルテックのFA-13Sと比較…同じ単線でもフルテックとは対極に位置する音だった(←激変するケーブルを求めてる人に味あわせたい。ブラインドテストで99%わかる自信がある。…激変体験するには単線なら極細多芯に、純銅なら純銀または銀メッキ銅線に、LC-OFCや6N-PCOCCやPC
TripleC導体に、同軸なら2芯に、金属メッシュ・金属箔でシールドされてるなら無しのケーブルに変更するとよいです)。 個人的に4708が良いのはショスタコーヴィチやハチャトリアンを能動的に聴きたいとき。欲求不満を感じない楽しさがある。 FA-13Sが良いのはそんなアグレッシブな音楽でも、生演奏とまではいかないが受動的に聴いていてもストレスを感じないこと。そういった成分が少ないこと。FA-13Sは最も神経が疲れない部類。これほどまでに元気のないケーブルも珍しいが、自分はこれ以上に疲れないケーブルに出会ったことはなかったと思う。音の傾向として似ているとしたらMonitor PC (現Inakustik) のCobraシリーズ(極細多芯のスピーカーケーブルの方)。 |
RCAの場合 | Model 4708 | FA-13S | MS#207 |
解像度 | |||
空気感 | |||
分解能 | |||
明瞭感 | |||
果実感 | |||
高級感 | |||
優しさ | |||
fレンジ | |||
Dレンジ | |||
ドラクエ | |||
ドビュッシー | |||
ハチャトリアン |
スピーカーケーブルの場合:肩の力が抜け落ちるような陽性の音がする。中高域にコクが感じられる。ナノテックより音圧が低く感じられるのは0.4mmという細さで表皮深さに満たないからだろう。弦の微振動は出る。 スピーカーケーブルではいまいちだろうか。ドビュッシーの『小組曲』(ビュッセル編. 1994年録音のCD) はやや苦しい。抽象的な響きはすっきり出てこない感がある。シベリウスの交響曲第一番(1993年録音のCD) はすっきりしている。ヴァイオリンやクラリネットなどの得意な楽音が優先して出てくる。しかし膜鳴楽器が鳴り出すとやや厳しい。 ウエスタンエレクトリックの1960年代単線に比べるとまともな音調。クールで差し障りない音。 チェロが弓で擦られたとき、4708の導体を擦られてるように聞こえた。 オーケストラの音は注射器の針みたい。 導体が細いので色々遊べる。4708を7本ぐらい使ってリッツ線構造にするなど。別のスピーカーケーブルに4708を挿し加える事も可能。その実験の結果、空気感は減り、肩肘張った嫌な感じは増した。でも好みかもしれない。 |