Accuphase E-407

国産オーディオは海外製品とは目指す方面が違う。
ヨーロピアンのように感性で解決するよりは物理的次元の高みに至ろうとする。
普遍性がその向こうにある。

E407

レコーディングならではのリアリティ、サウンドステージ、オーケストラの細かな表情の変化・・そういうものを求めるとなると国産は強い。特にアキュフェーズは音色的にも位相が合っている具合(E-407は廉価モデルなのでやや機械寄りの冷たい音色にはなるけど)。アキュレートなオーディオほど素材の味が活かされてるというのは日本的な美意識。
E-407はさすがベストバイモデルというだけあって高次元な音だった。これほどの構築性は物理特性アンプならでは。聞こえなかった音が聞こえる度合いが高いけど、自作アンプの純粋な回路によくみられるような、性格が偏ってるような構築性ではない。夜空を見上げるとクリアで見晴らしがいいけど無に吸い込まれてしまうこともなく、光のないところまで視界が到達する前に、見えるものがある。離散した星々は同じ場所に密集して留まることもなく、天体は大気や時間との関係で、見え方が変わる(いつも同じ音ではなくソースに応じて鳴り口が変化する=アンプに個性がない方向)。高域はよく伸びるけれど形がしっかりとしている。トーンは華やかで陽性方面といえるが、解像にはオーディオ的なえぐみはない。あくまで客観的で、音の粒子が自然発生して消えてゆく。低域も国産らしくしっかりと制動され、ほどよい強度のままにうつろうつろう。信頼性でいったらアキュフェーズ。



E408
E-408
話は変わるが、モデルチェンジしたE-408は外観がこんな風に変わった。E-407はトーンコントロールなどのノブが丸出しだから機械的。(音は多分そんなには変わらなかった。E-408のが太めで穏やかになっている印象はある。オーディオフェスタで聴いたE-380 / E-480はもう少しこなれた音が出る心地はしたけどほぼ共通。アキュフェーズはいつもアキュフェーズ。プリメインアンプ入門機なので面白味は薄いけど信頼性で買われてるもの。セパレートのA-75やA-250だと面白味が出てくる。自分にとっては意外だったけど開発担当の人のお話によるとコンデンサーとかを1こ1こ取っかえ引っかえしてヴォイシングで音を決めていってるようだ。)

アキュフェーズは機械としても高次な完成度がある。部品の並び具合やトランスの見栄えから長期に渡る保証の制度まで、ある種の完璧さがある。ガレージメーカーのmusicaのように音さえ良ければいいという作りはしていない。箱の側面や上面の素材はさらさらしたセラミックみたいな感じ。メーターランプの光加減、パネルの色の反射まで計算づくされている。Musical Fidelity A3CRの電源ランプとかオウルテックのキーボードのNumLockのLEDのように、目を直撃して眩しいようなことがない。シンプルだと逆に派手な感じもするものだが、アキュフェーズは常に節度をもって存在してる。フロントパネルはいつもほどよい明るさで映えている。TEAC VRDS-25xのパネルは光を反射するので角度や時間帯によっては凄まじいが、茶色くつぶれてしまって醜い時間帯もある(それのせいでマジックアワー…最も美しい時間帯を探求するような意識が芽生えて面白いわけではあるけど)。アキュフェーズのプリメインはボリュームやノブの配置もほどよい。McIntoshのMA6400は配置的に一旦顔に見えてしまったらもう二度と戻らないが、アキュフェーズはそれに陥らないよう配慮して、あ、











E407&Nautilus

試聴:アルヴェーン




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