外装はすべて非磁性体のアルミパネルで纏われていて、MILスペックに基づき組み立てられている。ボリューム・コントロールにはヴィシェ社コンダクティヴ・プラスティック・アッテネーターを採用。電源部にも4万μF80V耐圧の高品位コンデンサーを使うなど、小さな筺体に高品位パーツが惜しみ無く投入されている(参照:ステレオサウンド創刊30周年特別号)。
写真で見た時はLo-Dみたいな古そうな印象だったけど直に見ると現代的な高級感で VIOLAのLegacyやTECHNICAL BRAINのTBP-Zeroの位に上がった。フロントの厚いアルミパネルはもったいぶらずゆるやかに8mmぐらいR加工されている。相当量のアルミが削られている。天板・底板は通常のパターンだけど薄っぺらでなく 裏側のアルミパネルまで仕上げがきれい。工程数優先でないブランドの在り方。また、それが本当にアンプを作りたいためであったのか、手に触れたときから幼少のようにやわらかな優しい心地がしたもの。これが非磁性体のアウラの感触かな…とつい無宗教的な解釈をしたけど非磁性体という理由だけじゃない。このアンプは前のユーザーにも愛されてきたはず。設計者でサキソフォン奏者でもあるロルフ・オルスタッドの心配りとノルウェーの森の空気と、霊性に霧の濃さがある。工業的打算のない製品は愛される。ノルマティカルな大量生産品は実用重視になるけど。こだわりをもった集中力。そこに創造の原理が働くのだと思う。 |