COMBAK BRAVO



 569. コアキシャル型2ウェイ。フィンランドのグラジェント社とノルウェーのシアーズ社によって開発された技術を使いコンバック社が設計したというもの。フィンランドの木工技術で創り上げた "小さな芸術品"。フレーズが示すとおりの愛らしい小ささ。
 フィンランドといえば北欧の国でオーロラが見えてシベリウスの音楽のように荘厳に迫ってきそうだけどそうではない。インティメートに打ち解けてくる音を聴いて、カントリーな木挽さんがオーディオ世界に迎合するでもなしに材を丁寧に練り上げているみたいだった。焚き火のような暖かさがありとても自然回帰した気分。この自然さは自然ほんらいのままで、それは生まれ育った文化や環境によるもの。あとから風評に迎合する必要もない。Pastoral SymphonyのCadenzaのように自然回帰のイズムがあるわけでもない。だからこっちのほうが本当の意味で自然回帰していると思った。
 マイルドでもなく厳しくもなく、ほわわんとくる。声の帯域をコアとして全体感があり低域は強調なく独りでに伸び、高域は脇役なのか先走ったところがまったくない。自然のバランスを崩さない。差異化による個性なしに本来のものがただ本来のままに出てくるので、言葉で捉えるのは難しいな。トランジェント特性が優れていて空間が・・ と表現すれば不自然になってしまうほど自然に広がっている。我がなくプリミティブで、サウンドステージを感じさせないサウンドステージ。コガネメキシコインコがあっちこっち飛びまわるみたいに闊達に歌う。普通は生の演奏に比べれば幕が降りていると思えるものだけど、それを思わない。






僕になんかって。