CREEK 5350SE


CREEK CD50 + 5350SE


あの日、なんだこの駄曲はと思いながらウォークマンで聴いていたD'Indyの音楽が、CREEKを設置されていたあの空間ではすごかった。プレーヤーはCREEK CD50でスピーカーはSonusFaberのConcerto HOMEだった。力感こそないものの、突き刺す感がなくジャズでも余韻が奇麗だった。SonusのHOMEは以前よりカランとしており一層描き分けるタイプだと思っていたけどこのアンプだとファジーに柔らかく鳴ってる。エコー成分巧みだ。僕の部屋と同じような形状なのに、響きがまるで違う。帰って自分のオーディオ聴いてみるとやはり違う。嫌にストレート。そのストレートさは自分の部屋の天井が高いことによるものでもない。Accuphaseのハイレゾリューションで原音忠実な陽性サウンドは、CREEKの毛布みたいなトーンと異質な世界なのだ。LUXMANの音とも違う。角を丸めて穏やかにまとめられるLUXMANの輪郭部をさらに削ぎ落としその余ったエネルギーを細音部にあてがってもまだ足りないぐらい。いや、そんな人工的なことをすれば却ってえぐみが増すか。子供のようなピュアリティーでこそ実現可能で、音の形・音色を彩るのはその国の文化だ。こんなしょぼい筐体のアンプ、日本でならすぐに創れそうなのに。
温故知新などという漸進的な態度ではなく、実際に退行することが進歩に繋がることがある(たとえば「赤ちゃんごっこ」をしてみたり)。日本のメーカーも、CREEKのような後進的なコンポネントを開発してみればいいのに。ミニコンとかではなく (.. というのもオーディオファイルは概してミニコンには疎いから)(一般的なユーザーにその良さは解せないだろうし)。舶来品は高価なので買うには至らないけれど国産の価格設定ならば即買ってしまいそう。

追記:CREEK 5350SEは低解像度ではなかったです。一応。ぼやけているわけではない。あとこれ書いてた当時はまだ日本のガレージメーカーに疎いです。musica、Ikeda sound lab.、SOULNOTE、HiT、EL SOUND、陶器のスピーカーメーカーなど。今ならドウシシャ製 SANSUI SMC-500BT / SMC-300BT(真空管ハイブリッドアンプ、和紙のコーン)がある。


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