ELEKIT TU-8100




エレキットの真空管パワーアンプキット。TU-8100
・定格出力/2W+2W(THD=10%、1kHz、6Ω負荷時)
・残留ノイズ/40μV(IEC WEIGHTING)
・周波数特性/23Hz〜33kHz
・適合スピーカーインピーダンス/4〜8Ω
・本体電源/DC12V 消費電流 約2A
・付属ACアダプター/AC100〜240V(50〜60Hz) 対応
・本体寸法/W142×H136×D178mm(突起部を含む)
・本体重量/約1.8kg(ACアダプター含まず)

「真空管はPCL86(14GW8)を使用。内部基板上のジャンパーを切り替えれば、ヒーター電圧の異なるECL86(6GW8)を使用できます。電源は12VのACアダプターを使用。本体内の昇圧インバーター回路により真空管用B電源を作り出すことで、ハムノイズを極限まで抑え、伸びやかでクリアなサウンドを実現いたしました。」



音質のみを考慮して組み立てた。
・ボリュームはバイパスした。(ボリュームのノブは、電源ON OFF兼になっている。右に回すと電源ON)。
・ボリューム前にピーク時や入力電圧の増加によるひずみ配慮(たぶん)の抵抗が介されている。それもバイパス。
・RCA端子裏から空中配線で、真空管のソース入力のところ(1番)にダイレクトに接続(←写真撮り損ねたので意味不明と思います)。GND側は通常通り。



・あとスピーカー端子も(+側だっけな)出力トランス(写真矢印)からダイレクトに接続できた。
・電源入れると真空管の下で橙色のLEDが光るけどそれもバイパス。
・はんだも加熱時間を最短にして(変にこだわらず、すぐにハンダごてを抜くなど)はんだの酸化を防ぐ。
・微小な不要共振を吸収するため可能な限り綿を接触。(結構変化する)




作業時間・・・6時間
ネットを見ると完成まで4時間だったとか書いてあった。ドラクエ10の「デルメゼ14分で討伐しました!」といったTwitter報告と同じで、10時間くらいかかるだろうと踏んでいた。時給換算で完成品を買った方がいいかなと。けど、部品を基盤に刺して裏からはんだづけするだけのわりと単純作業だった。ワイヤー配線を一切使わないなどの配慮がされている。部品確認の時間や改造の目論見を含めて6時間。失敗の多い人生のため説明書を隅々までじっくり確認しながら作成。一発で音が出た。出なければ、それは無かったことになり、10年後に押し入れから発掘されていた事だろう。

パーツの導体は細いので(はんだがすぐに馴染む)はんだ作業に慣れてない人はこれで練習できると思った。スピーカー端子と出力トランス取り付け部は馴染むまで時間がかかるけど、小手先で熱し続けても熔解するような基盤じゃないから大丈夫だった。はんだの酸化による導電率の低下が気になるならば、一部空中配線にする。換気だけはしっかりとやる。自分は寒くない日を選んで屋外で作った。




完成。





音を出してみた。結果、そう感動するほどではない。期待が大きすぎた。やや薄味。砂のような音像。滑らかな音ではなく凹凸を感じる。これはエージングでは良くならない範疇。まぁ入門モデルだからね…。全体的な基調は、このdesignのとおり寒色系か。トランジスタを使用するからか温度感は落ちるけど爽やかな音になる。

消費電力は実測で27w。優秀。






【音質日記】
(2021.6)奇数倍音が出ないからか肩の力が抜け落ちる感覚がする。こんなに高音が節操なく出てくるのに、聴き疲れしない。安いけどトランジスタアンプのようにきつい音は出さない。要所要所にこだわりを感じる。
(2021.6)一般的なつくりのel34の自作パワーアンプより、エレキット8100のほうがエアー感が出てきた。しかしその一般的なつくりのel34のほうが全体的な解像度は高い。中低域が出る。TU-8100は低音域がローカットオフのように出てこない。センタースピーカーに使うと都合良いかもしれない。ハスキーなハモりが美しい。反面、空間は広くない。
(2021.7)Dレンジが弱い。長時間映画のセンタースピーカーで使っていると、限界地点が見えてきた。
(2021.7)Unisonic ATH-40Rとの相性が良かった。すっきりした音が出る。TU-8100はサブソニックフィルターといってもいいぐらい低音がすぱっと出ていない分、背圧や分割振動などの悪影響が少ないのか。



エレキットのロボットMR-9107。名前はフォロ。あとをついてくるよ。
ただ、こいつもキット品なのだ。