ELSOUND ELMUSE20





ELMUSE20;エルムーサ20(20W+20W)









貸出機にて試聴。


















ELMUSE7よりサイズがかなり大きく重い。8kgぐらいある。ELMUSE7は2kg程度。

















CANTON ERGO 690というトールボーイを鳴らしてみました。
EL SOUNDのアンプは音に個性が薄く、なにを聴いても素直なのが良いと思います。ずっと聴いていて良さがわかってくる具合です。機械による演奏の再現なのに嫌な音が出てこないので、音楽を長時間心地良く聴き続けられます。
解像度は高いけれど強調感が見あたりません。CANTONはドイツのターナスサウンドを代表する老舗で、2011年のERGO 690もその伝統を受け継いでいて低音はタイトで高音はリニアで、美音だけれどキンキンサウンドです。そんなスピーカーでもゲームを長時間やり続けても耳がほとんど疲れないし、中域が素っ気ないスピーカーだけれど 映画のセリフも つんざくことなく浸透してくるのには感動いたしました。








比較
SHARP SM-SX10はしっかりした音、ELSOUND EPWS-5sは濃密な音、EL SOUND ELMUSA 20は美しい音。3つとも名機だから、しっかりしているし、濃密だし、美しい音だけど、ぱっと思いつく言葉で表すとそうなる。






次にSONY SS-HA1を鳴らしてみました。
3Dの測定で人知を超えて調えられており凹凸や角のない再現力をもつスピーカー。ティアドロップ型。点音源ではないけど個人的にはエクリプスの次ぐらいにスピーカーの存在感がない。これをEL SOUNDのエルムーサ20で鳴らすとストレスフリーの極みをゆくこととなる。Nuforceと同じ設計者のSHARPのSM-SX10で鳴らしてもハイエンドの音が聴けるけどエルムーサに比べるとやや主張を聞くことになります(SHARP SM-SX10は地味で控え目な音で個人的には最高のデジタルアンプです一応)。
やはり長時間聴いていると手放せなくなってきます。エルミューズは、ただノイズフロアが低いだけではなく、分解された各音像に中身が宿っているところが良いです。微小信号の損失が少なくて、無味乾燥ではなくしっとりとしています。

KENWOOD S-270
今では考えられないことをしているスピーカー。ヨーロピアンを見習って帯域は狭く分解能は低いけれど、その甲斐あってかハモりが美しい。エルムーサで鳴らすと曇りが晴れて、音色にたおやかさが出ました。ただSONY SS-HA1はエルムーサ20が一番よかったけれど、KENWOOD S-270はエルムーサ7のほうが良いかもしれないと思いました。

エルムーサ7と比較
写真で見る印象より筐体の大きさがかなり違いました。重量も8kg~程度あります。
音色・トーンはエルムーサ7と共通でした。EPWS-5は優しくてふくよかな音だけれど、エルムーサはサイダーのような爽やかな鳴り口です。

解像は若干異なります。エルムーサ7のときと試聴環境が異なるので断定できないけど、エルムーサ20のほうがD.レンジの深さと分解能がある印象でした。ふわっと自然に音像が浮き出るのはEL SOUNDの共通項だけれど、たとえばジブリのサントラでは 手嶌葵の声と伴奏が より明確に分離しているように聞こえ、ピアノ三連弾のファリャ『スペインの庭の夜』も千手観音のように手がそこらじゅうから浮いてきます。あと低音方面はエルムーサ7よりしっかりしています。
エルムーサ20はフォーカスが絞まって静観しているオーソドックスな鳴り方で、沢山の小さな音像が下から上まで浮き出てくるけれど、出力の小さいエルムーサ7は たおやかで明朗な音がエルムーサ20より大きめな音像で浮き出る塩梅だと思いました。その特徴はONKYO A-927の下位のA-925のように、多くの下位モデルに見られることが多い。下位モデルは小出力でシンプルで鳴りがよい事が多い。エルムーサ7を買う前に気になって上位のエルムーサ20を貸し出し試聴させていただきましたが、自分はエルムーサ7でも良いと思えました。迷いがなくなってよかったです。

あとはエルムーサ20はスルーアウト端子があるのでバイアンプ駆動ができます。従来のEPWS-5やEPWS-10は太い音で低音がファットな鳴り口です。

オーディオマニアの方々の推奨するXRCDなどのクラシックは個々の楽音がしっかり分解されて聞こえるけど、ドラゴンクエストのサウンドトラックのようにコンプレッサー(D.レンジ方面の圧縮)をかけられているソースは、オーケストラ全体にふわっと包まれます。アンプの音が素直で良いと、なにを再生しても心地よいし、睡眠不足のときを除き耳が拒絶反応を起こさないです。



つきピエのオーディオマニア紀行