FOCAL POINT COMPUTER v-moda vibe v2





 ・新開発のBLISS(Bass Level Isolating Soft Silicon)システムを採用した事により、徹底的にノイズを排除し、より深い重低音を再現。
 と箱に書いてあった。初代はこんな音だったかな、ずいぶんと音は変わったように思う。みっちりとした解像のつながりは健在だけど、筺体はソリッドになり、物理的チューニングが施されて国産の音のようにアキュレートな印象になった。fo.Qを使用したアンプみたいに音が整い、生命感が失せている。
 フォーカル社というとフランス的な甘い美音(鼻づまり的美音)のJM labで有名な自社ユニットSPブランド。ベリリウムのツイーターが生産できるすごいところ。JM LabのChorus 807 Vは以前の淡い甘さはなくなりv-modaと同じ傾向が見られた。具体的なビニール音であった。







「求めたのは不純物ゼロの音」






v-moda vibe RedRoxx クリムゾンレッド:ヘッドホンジャック


厚みのある楽音はNW-E026でも一応出てくるが、いまいち継続して使いたいと思えるほどの再現はしてくれない。一方でNintendoのDSiに使うといい音がする。電子音系がとても心地よいしバランスよいし聴きやすい。もうこれじゃないとドラクエはやれないと思った。ほとんどゲーム専用機である。
ただ、クリムゾンレッドは色が妙。カタログの画像みたいに鮮烈なレッドじゃない。筐体の部分はまだしも、コードに限ってはドラキュラに耳血を献血してるみたいな…。血の色がする。クリムゾンは英語の得意な僕の記憶だと、水をかぶると繁殖する幻獣とか妖怪の意味だから、きっとそういうプチホラーっぽいのを表現したかったんだと思う。





比較
SONY MDR-NC-32NX FOCAL V-moda ver.2
特性音 物理音
慣性任せに広がる 全てが構造された音
脳外の世界(Qualia)に亙る 楽音一つ一つが構築されている
皮膜的で軽くあっさりとしている ゴム的で厚みのある楽音
空気感:☆☆☆ 空気感:☆☆
安定感:☆☆☆ 安定感:☆☆☆☆
Classic:☆☆☆☆ Classic:☆☆☆
Jazz:☆☆☆ Jazz:☆☆☆☆
電子音:☆☆☆ 電子音:☆☆☆☆☆
丈夫さ:☆☆ 丈夫さ:☆☆☆☆
聴き疲れなさ:☆☆☆☆ 聴き疲れなさ:☆☆☆
イヤホンではSONYが一歩進んでる印象かな。MDR-NC32NXはバランスがよくて軽やかな感覚。管弦楽での静かな高揚がある。すべてを管理しようとするのではなく節度を保ち、イヤホンの得意なところをわきまえてる。
v-modaはウォークマンドライブではロゴス値が低くクラシックは倍音成分が潰れていて広がりがないが、ジャズ ボーカル再生においては肉付きがよく 粗なく満ちてみっちりと再現される。なにかドライバビリティの鈍感なところがあるので、HPアンプは据え置き型を使うと能力を発揮する。ジャンルを選ばなくなる。
V-moda ver.2は完璧を求めて詰め込みすぎてる。全部を追おうとして平坦になってしまっている。音に遊びがない。個体音がピーク感として目立ちやすい。低音はv-modaのほうがタイトによく沈むが、ヴォーカルは引っ込む印象。ノイズを排除すると共に軽さ・エッセンスが失せてる。D-EJ2000(アナログアンプ)で聴けば持ち前の生命感は引っ張り出されてくるかもしれないが(希望的観測)、それも限度があるだろう。
エージングが済むと少し印象が変わりました。タイトで安定感のある再現力はそのままに、生命感が増してきました。それと同時にフラットな解像は平坦とは呼べなくなり、その他のイヤフォンに比べて独特な音が出るようになります。音に遊びがあり、それはV-modaの音の球体を構成して引き締まってます。筺体の強度がほかにない持ち味になり、ドラクエの低音はさらに太い音が魅力的に出るようになりました。