オヤイデ電気が復刻した日立Quautumの切り売りケーブル。日立のLC-OFC導体を採用。QAC-202は1m 700円程度、QAC-212は1m 1000円程度。QAC-202とQAC-212の主な違いは導体断面積の違い。最大導体抵抗:QAC-202が42Ω/km、QAC-212が34Ω/km。 |
Victor JVCの廉価ケーブルもLC-OFCの導体を採用していた。このXL-V1の付属品のケーブルもLC-OFCと銘打ってある。解体すると導体の断面積は小さく、かなりLC-OFCの本数が制限されている。色も若干くすんで見える。QAC-202 / QAC-212は鏡面っぽい光沢がある(それは単に鏡面処理の有無か。切り売りだから)。SONYの廉価ケーブルのRK-C705HS / RK-C710HS / RK-C715HSも同じタイプでLC-OFC。音は良いと思う。f特はかまぼこ形でジューシーでファットな音調になると思う。 |
この復刻版Quautumはまずシースの色がかっこいい。青緑色。ACROSS750とミクロで見比べた感じ同じ素材・工程だと思う。色の設定だけが違う。シールドの金属はメッシュ状に編まれている。メッシュの銅体は安いものと思う。 その音質‥ピンク色のHITACHI Melltoneのように旋律(時間軸)の流れが良く、六甲のおいしい水のように純粋。でも無個性な音ではないと思う。PCOCCの導体はフラットですっきりと抜けた感覚があるけどLC-OFCは温柔な音。中域にジューシー感が色濃くて、それはVictorの廉価ピンケーブルでも共通している。その濃さがQAC-212だとかなりよく感じられる。ケーブルの場合、導体が太かろうが細かろうが一長一短で(静電容量や表皮効果や振動の受容性の問題があり)、質的には大きな差は出なくとも、そのジューシー感は稀少なものだから、それが豊富に伴っているほど好感度高いケーブルになるものと思う。QAC-202 & QAC-212はおもしろみのある音なのでギターケーブルの方でも人気がある。 また、QUANTUMとMelltoneは音が全く違うという意見があり、たしかに違うが、最低域までは降りないワイドレンジ感や、高域方面に感じるハイブラウな感じは似ている。この復刻版QUANTUMの場合は最高域もいい具合に丸められているのかハーシュな音を出さない。Melltoneのスピーカーケーブルのような波動拳みたいな平面的リニアリティは見えないけど、脳天突き抜けてない分聴きやすい。 オヤイデプロデュースで絶縁体がオヤイデ製だからかステレオ誌のふろくケーブル[URL]と同じ音色が伴う。その甘味のある音色は僕は好き。きっと君も好き。 |
Maker | Model | Assortment | 解像度 | 総合レンジ | ミュトス | ロゴス | Point |
HITACHI | QAC-212 | RCA Cable | 70 |
太い導体のわりに意外と解像度は高くは感じないがしっとりとまとめられているからかもしれない。低くはない。分解能は平均的と思うが各楽音はよく聞こえる。クラシックの空気感は平均レベル、空間感はやや広め。クリアルな音ではなく音像に強調感はない。わかっていながら曖昧な表現をする傾向だが色気は少なく爽やか。ソースが色気たっぷりならそれを嫌味なく伝える。よい意味で国産の音。レンジは広めだが中域が特に感触よい。滑らか系ではないが全体的にかすみのような音素に満ちている。微小音が相対的に豊かなのかオフマイクの録音が心地よく聴ける。真空管アンプにも合いそう。温度感は中庸、春か初夏。ややクールなところとヒューミッドなところが混雑している。ニアフィールドで聴くとうっとりする。若いか渋いかで言ったら若い。骨格はしっかりしているが、音像全体は踊っている。ちはやぶっている。ギターケーブルに使ってもヴィンテージ線みたいな魅力を出すと思われる。弦を弓で擦るときに発生する馥郁[.wav]の伴う度合いは最高レベル。LC-OFCのポテンシャルか。ナノテックシステムズの#ms207は、ナノコロイド液含浸による表皮効果の改善等があり伴うものの多いケーブルだけど、別のマイルドな要素にかき消されていてそれが聞こえない。ACROSS750は最高レベルの電気抵抗値の低さだけどストレートに通過して出てきた音が優先されて鮮やかさに目が奪われる。いろいろと個性がある。 オーディオはカメラと同じく再現できるレンジに限界があり、デジタルの場合はリニアである反面さらにラティチュードの幅が狭いし、振動板も強い音と弱い音の差が出にくいものなので、単に転送されるものの純度が高ければよいというものでもない。大きい強い音が大きく強く出てくれば、空気感レベルの曖昧な振動が相対的に弱くなる。このQAC-202 & QAC-212はその反対に大きい強い音が大きく強く出てこないからONKYOのD-77RXのようなナロー気味なDレンジ&fレンジの古典的な3ウェイでも心地よく神話的な鳴り口をする。遠景から客観的に見ると寂れた箱庭だけどこれが良いのだ。 QUANTUMは悪い意味で国産的な音でもあり使い始めはつまらない音だけど、ずっと聴いていると心地よくなってくる不思議なケーブル。デザイン含めかなりお気にり。 |
熱収縮チューブでネジ部分を密閉する(ネジが自然に緩んでくるのを防ぐため)。と同時に微振動の収束効果を狙って天然の綿をチューブの中に封入。 |
最悪な音になった。…。日立固有の果実が消えた。完璧に仕上げててすごく時間かかったのに。仕方ないから入力側のチューブだけ外した。幾分かは果実が元に戻った。 綿は圧縮したらいけない。熱収縮チューブ+綿は水と油かもしれない(フーバー&スーナー社製のブルースナーのときはそれで良かったのにな。そのケーブルは導体が外部振動の悪影響を多く受ける単線仕様だから圧縮された綿でもプラスに働いたのかな)。仕方ないのでセンターのネジが外れたらそのたびに締め直すことにした。 |
結局すべて取り外したのである。紐で縛った。これでよかったのだ。導体はナノテックシステムズのナノコロイド液で保護した。スクワレンオイルで酸化が防がれる。ナノ粒子の金と銀により接点の導通性が良くなる。 |