KENWOOD 純線SPケーブル

雲の中に浮いてる



KENWOOD 《Pure Silver Loudspeaker Cable》 
Pure Silver Loudspeaker Cable …純銀スピーカーケーブル
銘柄不明のオーソドックスなキャプタータイプ。綿糸が入って振動がこなされている
電導率が高いこともあり、線材の太さや銀線の素材感が音の中によく感じ取れる
KENWOODのこの純銀ケーブルは4m+4mを新品\6000そこそこで手に入れた
今後、これ以上に安く手に入れられる事はないと思う
純銀のケーブル (銀コートではない) は高いのです

 

KENWOODの純銀線のスピーカーケーブル。銅線との比較...
自分は純銀線はこのKENWOODの1種類しか使っていないのであれだけど、純銀線の場合は仙人が喰ってるかすみのような要素がかなり残されていると思う。銀線は喩えるなら雲の中に浮いてる。湿度感がある。銅線の方はメリハリがあると思う。よく聞き慣れた音。電導率は銅より銀の方が若干高いぐらいで性能的には大差ないけど、銀には銀の音色があり、銅には銅の音色がある。物理的な原因は固有共振?素粒子である電子の運動に固有のモードが乗るため?量子のことはよくわからない。理由はたくさんありそう(思考停止)。
銀の触感を堪能してみる。このケーブルの線材は細いが、指での触感はふわふわである。モース硬度では銀も銅も僅かな差だけど、銅の方が指に刺さると痛い印象がある。ただ、この細さの銀線は断線しやすい。バナナプラグやスピーカーターミナルのネジ締めの圧力でよく切れる。銅ではそんなことなかった。酸化するスピードは銅とは僅かな差で、数年後、変色した。銀メダルは変色するのですね。金メッキの金だけは変色ほぼしない。銀メッキや銀コートは音質以外にはあまりメリットがない。
銀コートは表皮効果を期待したチューニングに使われる。銀コートされた銅線の音質はほぼ銅だけど、空気感やエーテルの弱い成分は銀の音に支配される。銅のように太い音が、銀の音色で聞こえる具合。Zonotoneの6NSP-4400Meisterは銀コート線と銅線が混在していて、銅線の周囲を銀コート線が囲う構成をしているが、それは外周の方が音色に影響するという配慮に基づくところかもしれない。
このKENWOODのスピーカーケーブルは2WAYのS2701SSに合わせられたものと思われる。なのでS270と非常によく合う。交響曲がいい。ロックには向かないと思う。エッジは程よくこなされているが立ち上がり感がよく、落ち着いた音で、TIGLONやZonotoneほど分厚い音は出ないけど諧調は滑らかで、見えない小さな粒子に満たされている。優しくて小学校のコーラスが雛の鳴き声のように心地よい。「線材の巻き具合」とか「芯線のピッチを○○mmにする」とかいう構造以前にでは素材(原子)が違うのだ、という事を実感する。ブラインドで当てられるかもしれないぐらいの違いがある。「ケーブルでは音が変らない」と思ってる人でも(一番わかりやすいのはパッシブアッテネーター⇔パワーアンプ間のオーディオケーブルだけど)、純銀製のスピーカーケーブルに取り替えてみたらわかるだろうなと思う。
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ケーブルもオーデイオも、コストをかけたり構造を凝らせば音が良くなるとは限らないが、
熟考して閃いて導かれたものは、それが無いよりは高みに至ってると思う。
【純銀日記】
・アッテンベルクのSinfonia per archi(cpo 777 156-2, 2004年録音)を純銀のケーブルで聴くとCDの挿絵の洋上に浮いてる舟のように揺らいでる(曲はとくに好みじゃない)。ティグロンのケーブルでも揺らぐ。ナノテックシステムズのケーブルはブラックでシックな音味で音像がなめらかに引き締まる。
・アンプで言ったらauraのSTINGRAYみたいな音。



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