No.98 PARALLEL OPAMP

No66_NS-LF13741AHのつづき





5台も借りた
後日たくさんのヘッドホンアンプを貸して下さいました。
NO.63…1950年代のNASSAUハンダを使用した逸品です。乾いたサウンドがたまりません。このNASSAUハンダは、白眉と呼ばれる有名なものではありませんが、個人的にはこちらのほうが甘味な色がわずかに有り好感が持てます。白眉は遊びや色付けのない音で、つまらない音でもあり凄い音でもあります(個人主観です)。カップリングコンデンサーには、岡谷のプラスチックフィルムを使用していますので高音質です。1980年代のものと思います(NO,95も同じ系統)。このシリーズは、安値で出品していますが、実は高音質です。いろいろな音で聞けますので、何台買っても違う音で楽しめます。
クラシックは低音域がよく弾み、陽気で明るく高級機と変わらず抑圧的な鳴り方をしない。パズドラのサウンドは爽やか。Candy Crushというゲームは低音の弾力感がすごい。新しいパーツだからかノイズが少なくレンジも広く、若いめの音。良い意味で特徴が少ない。甲乙はつけられない。ブリュートナー製のオルゴールのようなピアノの音はこのモデルが一番とろける感覚がある。自分がリファレンスで聴いてる東京都交響楽団のドラゴンクエスト8の『神秘なる塔』の音触はNo.63で聴いたものが一番魅惑的だった。
NO.95…1950年代のERSINハンダsn60を使用していますので、明るく爽やかな高域と、中域の響きが綺麗です。低域は少々締り気味ですが不満は感じません。OP-14を積んでいますので、表現力は抜群です。東方が今まで聞いた物の中でも、最高ランクです。(そんなに聞いてませんが・・・)
朝の耳の初見では聞き分けられなかったが夜になり耳が落ち着いてくるとわかる。大ホールのオーケストラ楽曲は、比較的艶っぽさはないけどふんわりとしていて品がある方向。中域が濃いのか管弦楽に混じるテノールの声がNO.66より聞きやすかった(声の帯域にもよるか)。空中配線とシングルオペアンプで基本的に開放的な鳴り方だけど、このモデルは全体的に森の中の霧に包まれているような優しい鳴り口をする。ラヴェルのマメールロワが幻想的。魔女の宅急便のサウンドトラックはしっとりしている。アグレッシブなパートになるとNO.66の方が得意か。
NO.69…1940年代〜1950年代のWOODスプールに巻かれた銅添加のERSINハンダを使用した物で、爽やかさはそのままに、エッジーな中域は、他を寄せ付けません。カップリングコンデンサーには、Philipsのtropical Philipsを使用しています。709系が取り付けられますが、今回は 犬介さんのアンプと同じオペアンプをチョイスしています。抵抗はもちろんヴィンテージを使用。OUTには、スプラグのblue jacket(ワイヤワウンド)を使用しています。
管弦楽等では高音域のサラサラ感が特徴的。柔和な解像でドラクエの街は曇り空。古い録音のカリンニコフは優しく品のいいオケの響き。dhmレーベルのドビュッシーのピアノは余韻が濃やかに付帯して鍵盤を流される。フリッチャイ指揮のチャイコフスキー悲愴は自分のNo.66より密度の高さを感じる。良い意味でアンティークな優しい音。新しい録音のケクランのVers la Voute Etoileは輝いているが、時が進みアグレッシブになってくると臨界に達する。プロコフィエフのピアノ協奏曲(ブロンフマン&イスラエル交響楽団)の名盤はSONY essential classicsの果実の音がよく出ている。かまぼこ型で中身が濃く、滑らか系の音が得意。『わらしのうた』の歌声はNo.63よりよく染みる。邦楽のリンドバーグのヴォーカルは爽やかに脳天に染みる。その傾向はNo.79と共通。Clannadのヴォーカルの余韻はこれでしか聴かれないものがある。
はんだかオペアンプかどちらの方が音質に支配的なのか質問してみたところ、
「当方のアンプは、ハンダで音質が決まります。オペアンプで味が出ます。オペアンプの音を聞きたい方は向かないと思います」「ハンダは、ラーメンのスープ(だし)のような存在で具材を引き立てる芳醇な役割をしていると思います。このだしが悪いと良い麺も美味しくないのと同じで、アンプも良いハンダを使えば、どの様なオペアンプも良い音で聴くことができると信じています。もちろん良い回路も必要ですし、良いオペアンプであればなおいっそうの高音質が望めますが、そのままの音では無機質な再生音となってしまうおそれがあります。またそのほかの具材(カップリングコンデンサー、抵抗)で更に美味しくなります」
このNo.69を下記のNo.79のあとに使ってみたら40年代はんだの音がよくわかった。OP-14のNo.95と共通して、しっとりとしていてクリーミーな固有共振音をしている。素材がより天然なんだろうか。ナローレンジだけどオーディオ的愉楽がある。40年代のはんだなんて馴染みにくくて使いにくそうだが基板の裏では各素子に熱の影響が出ないようにか、はんだが盛って結線してある。見ていると嫌になるような細かさだが空中配線をするにはこの作業が必要なのだ。プリント基板には聴かれない自由闊達な鳴り方。厚みがあるのに重くない。
NO.79…1970年代のERSINハンダsn60を使用しています。比較的上も下も強調の少ないハンダですが、周波数は伸びていると思います。その代わり中域は薄味ですので、しっかりした中音域を持ったオペアンプでないと、中抜け傾向があります。つまりオペアンプによって良し悪しがあります。逆に良いオペアンプと合わないオペアンプがはっきり出ます。上級機ではオペアンプを選ばず良い音で鳴ります(個人主観ですが)。
70年代はんだの澄んだ高域と低域に特徴のある見晴らしの良いパースペクティブ。さらりと両端に伸びていて明るい。誰かのレビューで見た「解像度で音数を稼ぐのではなく、響きや倍音で音数が多く聴こえるタイプですね。」とはこのタイプのことなのか、ホールの空気感も中~高域で感じさせる。中域は感傷的に乾いていて軟体動物系の音ではなく、ブリュートナー製のグランドピアノのオルゴールのような甘いとろける感覚はNo.63に負けるが、この俊敏で乾いた感覚は、コンドラッシン指揮のショスタコーヴィチなど古い歴史的音源をスリリングに聴かせる。SONY essential classicsのプロコフィエフのピアノ協奏曲はNo.69より温度感が低く分析感が増してりんごが梨になった具合。聴き疲れしない。ウィーンフィル少年合唱団の『エターナル・フレーム』もNo.69と同じく爽やかに聴覚に染みさせる。No.98だと楽音は豊富で声に肉はつくものの、少年特有の声の良さは褪色している。すっきりした音で、SONY X-1000のように先進的で無機質な音のDAPでも滑らかさが出て楽しめた。しばらく使っているとハスキーな美音に聞こえてくる。
NO.98…初期には数代作成しましたパラレルに2個のオペアンプを繋いだものです。バランス配置して繋ぐのが面倒な配線です。初期は基盤が今回の物の半分ぐらいしか無く苦労しましたが、1台しか売れませんでした。不思議な魅力のある音がしますので、少しあまい表現ではありますが、引き込まれてしまいます。非常に濃い音がしますが、ERSINの1950年代sn60のハンダが爽やかなのが良いように思います。熱が出るのが難点ですが、デュアルのオペアンプ1個でも動作するのが良いところです。
低音域は弱音部は弱く強音部に深さがある具合で、力強い。Dレンジが高く、fレンジも広く、全体的に分離のよさを感じる。オーケストラのフォルテで盛り上がるときにも落ち着いていて心もそれを静観してしまう。これぞ英国風情なのでしょうか、と思ったら「デュアルオペアンプをパラレルで繋いであります」とのこと。お遊びで作ったアンプのようだ。自分の聴覚が申すに音色的にはメリットはなさそうだが、解像度が高く優等生的な音で鳴る。リファレンス的とかモニター的という方面の音になる。消費電力が大きいので電源offにしたらすぐに音が消える。これが据え置きのヘッドホンアンプでTEACのVRDS25xからバランス接続できたらなと思った。バランス入力専用アンプとかバランス駆動ヘッドホンアンプは数少ない。このアンプは音量あげても凹凸やピークを感じない。長時間落ち着いて聴ける。ずっと聴いていると、この機種に一層の懐の深さを感じるようになる。もはやよくわからない。
松任谷由実のDANG DANG等の曲の冒頭のシンセサイザーの音はこのNo.98が一番きれい。国産アンプ的な良さがあり、静観して整っている。No.63は現代的な音が出るけど少しにじむ。No.98はにじまない。ポップス系はとくに聴きやすい。低音も引き締まっていて風船の中に中身が宿っている。オペアンプのICを2基でパラレルで接続したものはシングルほど素直で明瞭ではないもののいろんな音が具体的に出てきた。デュアルとシングルの違いを勉強することができた。
NO.66…犬介さんのアンプは、1940〜1950年代のsn50のものを使用しています。中域から低域にかけて、非常に力強い音の出るハンダです。もちろん高域は爽やかで、中域はさらに響きや倍音が綺麗です。個人で感じ方はそれぞれです。当方でも、最終的には、この音は長く聞いていて良いか悪いかだけです。(つまり長く聞けるか聞けないかで良し悪しが決まるようなところもあります。)
僕のモデルは一番McIntoshやJBL的なコクと晴れやかさがある。いろいろ比較させてもらいこの機種の相対的な魅力もわかった。長く楽しめる音楽性の高いヘッドホンアンプが欲しければこだわり抜いた自作が一番かもしれない。これを作成した方はアンプはしばらく作るのお休みになってしまったけど。
これは借り物のNo.69
「CANオペは、萎縮した音が出ませんので、開放感ある音が楽しめます。741タイプは、良い回路です。」 「もっと余裕のあるコンデンサーを入れれば、バイポーラタイプの入れられますが、欲はかかない方が良いです。 」
「解っていただける方に使って頂きたい個体です。自分では、非常にお安くしていますつもりでは居りますが、話だけでは、中々ご理解頂けないと思います。今自分で使用していますのは、日立もしくはPMI製のオペアンプの載っていますものですが、一度オークションに出しましたが、値段が高い(安いつもりで出品していましたが・・・)せいもありますが、ほとんど理解させず自分で使用しています。このタイプを、好きな方に使って頂きたいです。」
オーディオフェスタ2014で最新の各種ヘッドホンアンプを聴いたけど僕が手に入れたポタアンほど音の味わいの深いものはなかった。解像度等は落ちるが、萎縮した音が出ないというのもわかる。LUXMANのP-700uはHD650等をバランス駆動すると今までにない開放感を味わえるが、種類の違う良い音だ。
自分は本当によいものを手に入れた。この古代から発掘された個体は、電圧の変動とか静電破壊に気をつけて大切に使い続けなくてはならない。水で手を洗うだけで静電気は落ちる。







またたくさんのヘッドホンアンプを貸して下さいございました
No.106…NASSAU '50s R。KESTER '90s。USA製の大型2w抵抗使用。メーカーがわかりません。オーマイトか、IRCあたりかなといったところです。とても良い音と思います。ICはLF353N。
FLAGSHIPという位置づけの製品というだけあって、恍惚成分が多く含まれてた。VAINBERG(ヴァインベルグ;ワインベルク)の交響曲第六番(作品79。歴史に埋没してる名曲と思われる)のboy's choirの声が響く。爽やかに天に響くのみならず柔らかい肉体が伴ってる。自分のNo.66ではNo.106ほどそれを感知できない。その種の肉感的な恍惚成分の含浸度が違う。このコンドラッシン指揮モスクワフィルの交響曲第六番(Melodiya:MELCD1000986)のディスクは名盤で鬼気たぎる演奏だと思うけど相変わらず録音品質が悪い。にもかかわらず、No.106だとそのやばさと美しさに魅入る。中域が豊満なのか古い録音でも恍惚できて、それは異質な体験だった。音楽・演奏ともにまずいこの曲(第2楽章.wav)を少年コーラスのやばさが際立たせる。
No.105…No.106との比較用に、抵抗のみアーレンブラットレー(ALLEN BRADRAY)を使用したもの。アーレンブラットレーは0.5Wですので、音質的には不利ですが、グレードの高い高級品です。
No.106とは深く検証できずじまいになってしまったけど、ソニーのCDP-XA5ESからLINE出力でドビュッシーの『小組曲』(ビュッセル編)、『神聖な舞曲と世俗的な舞曲』、『ピアノと管弦楽のための幻想曲』etc.を聴くと魅惑の音だった。No.66と比較して中域の恍惚成分が違うので、今はドビュッシーの事を印象派とは呼ばないらしいが、夢想めいた音楽の深みの中に入ることができる。壺の中を覗くと、まれびとが漂っているのが見えるみたいな曖昧な心地良さ、幻想。自分が所有するNo.66ではそれは味わえない(No.66の方が勝っている側面もある。Lyadovの交響詩『魔法にかけられた湖』のような曲はNo.66の方が良かった)。― 普段耳が聴き慣れている音からほんの僅かでも音が変化すると、耳が喚起されて恍惚とする。一週間聴いていると慣れてしまうけれど、また耳が戻ると恍惚を繰り返せる(オーディオマニアはスピーカーやアンプ等を一般の人から見たら無意味に大量に持ってるけど、それはそのため。やがて耳が慣れるから)。
No.107…「47アンプ」(OPA2604が2個付いたもの)。いつもの英国製50年代ハンダSN60使用。なるべくオリジナルに近く作りましたが、手持ちのパーツで作った為、定数は合っていません。47アンプの名称は、終段の抵抗が47Ωから来ているようですが、OPA2604のデータシートでは51Ωです。手持ちは56.2ΩのTRWがありましたのでこれを使用しています。最初オペアンプに353を載せましたが、ドンシャリでしたので、手持ちの2604を載せました。※47アンプは、低インピーダンスのヘッドホンに対応した回路で、駆動力を高めています。インピーダンスも下がりますのでマッチングが良いです。ということですが、音は、確かに力強いですが、失ったものは大きいかもしれません。単体では、良い音と思います。
No.98と同様にある種の開放的で明るい感覚は後退する。でも宇宙に突き抜けた感じは依然として在り、素粒子脈動原理は感じられる(イミフ)。自分の聴き方だとポップス系に向いてるのかなと感じた。上記のVAINBERGなどでは、古い録音の凹凸がなくなってマイルドになっているけど、抜けた音が多く、boy's choirの肉感的なエレメントが欲しいと思える。でも松任谷由実などはab。難しい音源じゃなければシンプルで愉快に楽しめる。GRADO SR80i(32Ω、98dB)をうまく鳴らすために考案されたアンプらしいので、それに近い城下工業SW-HP10で聴くとすごい良かった。基本的には乾いた感覚のようだけど、魔女の宅急便とか聴くと中高域が濡れている。「これは裸女の宅急便である」とか言いたい。ちなみに「乾いた音」と表現するか「ヒューミッドな音」と表現するかは人により異なるし、その両方を併せ持つ音色もある。
No.108〜No.110… No.107は1個のオペアンプで増幅パッファーを受け持っていますので左右独立ですが、改良した点は、1個目のオペアンプで左右の増幅、2個目のオペアンプで左右のバッファーを受け持つように配線しています。こうすると多少セパレーションなど悪くなる可能性はありますが、1個目のオペアンプだけで動作しますので、オペ1個だけの音も聞けます。1個なので持ち運んだとき燃費が良いです。尚、No.107に353を乗せたところかなりドンシャリの傾向でしたので、終段の抵抗を60オームとしています。丁度良いようです。回路的にこれで良いかどうかわかりませんが、聞いて良いのでよしとします。
滑らかさが増した。 No.107の回路を少し改良したタイプとのことでバランスが良くなっている。No.107は個性的な音だったけどNo.108はマトモな音。ベートーヴェンの交響曲が王道をいってるサウンドで奏でられる。ドビュッシーのJeuxは優しく幻想的。No.95と方向性が似ている。ショスタコーヴィチの交響曲第七番は気品のある響き。透けた音はしてないけど主張がない。試しにインピーダンス250ΩのbeyerdynamicのDT990PROを繋ぐと音に元気がなくなるけど、これはこれでBGM的でいい。眠ることができる。No.109はそれより爽やかな音でNo.110は男性的な音。




ボカロで比較してみた
(文字が小さい場合はCtrl+マウスのスクロールで調整して見てね)
   HTC J one No.105 No.107 No.108 No.109 No.110
『嗚呼、素晴らしきニャン生』
『ココロ』
『いーあるふぁんくらぶ』
『マジカルぬこレンレン』
『リンちゃんなう』
ギガンティックO.T.N
音源はmusic.jpからポイント使ってダウンロードしたもの。再生機はHTC J one(スマホ)、ヘッドホンはSONY MDR-SA3000と城下工業 SW-HP10。
嗚呼、素晴らしきニャン生』はフラッグシップのNo.105&No.106が圧倒的によかった。鏡音レンの声に肉付き感がある。GUMIちゃんの声もしっとりとしている。楽しくなる。No.66はノンシャランで楽しい音だけれどそこまでは肉付き感がない。僅かな差でも、その差がすべて恍惚成分だとしたら、かなり大きな差になる。鏡音レンの声の差は、肉付きの差。No.105だとMDR-SA3000(開放型)を耳から外してスピーカーとして聴いてもその軟質な肉感が伴った音で聞こえてくる。No.108は鏡音レンの歌声が弦が張っている感覚でたまらない。No.110にはそれがないけれど全体のバランスはいい。HTC J oneは弦の張ってる声は出るけどGUMIの声はなにを言ってるかわからない。基本的にHTC J oneは声が苦しかった。尚、PCのYoutube音源でAudinst HUD-mx1使って聴いてみても、ヴェールに包まれてるしオーディオ的にはなんの恍惚もなかった。
ココロ』の鏡音レンの歌声は、もともと機械的な歌声だけど、No.105だと生きて聴こえる。耳に馴染みのない新しい魅力の音で聴きなおすと、何回でも泣ける。それが47アンプのNo.107となるととたんに元気がない。ココロの曲調には合わない。城下工業のSW-HP10で聴くと差はなくなるけどNo.105の魅力も若干薄まって聴こえる。この魅力を完全に味わうためにはVictor HP-DX1000があれば良かった。
いーあるふぁんくらぶ』…もっちりした音はNo.105が一番よくでてる。GUMI&鏡音リンの声も目の前に迫るほどしっとりリアル。女の子の声が特によいのかな。『嗚呼、素晴らしきニャン生』のGUMIの声も最高だった。聴きつくすと各モデル本当に個性がある。47アンプ側は充分の音だけど魅力の方向性が違う。47アンプは城下工業のヘッドホンのときはGUMIの声がしっとりとしている。ビート感のある曲だけど分離感よくて、GIMIとレンの声がよく聞こえる。No.109は声がからっとしている。No.108は水溶性。No.110はJBL的。No.108は城下工業のヘッドホンだとゴム製のGUMIちゃんになる。いーあるふぁんくらぶはmusic.jpのアプリだとPVが再生されない分つまらない。music.jpからダウンロードした音源のほうが澄んだ音だけど、この曲はYouTubeに最高音質のファイルがあるからそれでもいい。大差ない。ココロもYouTubeでいける。嗚呼、素晴らしきニャン生は大分と差がある。『マトリョシカ』はmusic.jpにはなかった。
マジカルぬこレンレン』…No.107が一番いい。No.107は47アンプの4台の中でも明瞭感より湿度感寄りの音に特に仕上がっているため、この曲のやや曇った感じの鏡音レンの歌声がよく浸透してくる。他の3つよりかなり聞こえやすいのが不思議だった。エコー感すら感じる。No.110は愉快さが一番よく出てくる。No.108は楽音のバランスはいいけど鏡音レンの声は少し遠いか。No.109は落ち着いている。ハイアガリにならない。スマホのヘッドホン出力ダイレクトは分解能が足りない。楽音に鮮明さはあるが声が聞きづらい。
ココロ』…補足。No.107だと、明瞭ではないが湿度感が高いので鏡音リンの歌声が機械的ではない。抜けた音が多くはじめつまらなく思ったけど、No.107のココロは聴いていると結構abで好きになる。HTC J oneのヘッドホン出力は軽い音が晴れ晴れと出てくる。城下工業のヘッドホンやカナル型イヤホンならスマホにダイレクトで充分の音になる。欠点は分解能が少し弱いところ。ヴァイオリンソロはよいけどココロのような曲は混濁して生命感を損なわれる。鏡音リンの声は他の楽音に消されることと浸透感の弱さがあいまって、声にエラ?が張ってる感じに聞こえる。No.110の場合は分解能があり背景で鳴っているぴちぱちした楽音も実体感がある。空間感もある。鏡音リンの声はNo.107のような浸透感はなくともよく伸びているし、エラは出てもその声がヴァイオリンみたいで楽音として聴ける。No.108は抜けた音が少なくバランスも良い。鏡音リンの声が少し幼くなって響く。
リンちゃんなう』『レンきゅんなう』はNo.110が一線を画している。転げるような電子音が一番いい(MDR-SA3000)。また、機械で創られた声は違和感が出やすいけどリンレン両方とも開放的であっけらかんてしている。比較するとNo.105だと全体のバランスはいいけどレンの声がちょっと苦しい。No.109だと音色がしっとりとするためこの曲の流れるような愉快さはNo.110ほど味わえない。No.107は低音のビシバシ音はみっちりとしている。No.108は爽やかだけれど浸透感はNo.110のようにはいかない。HTC J oneは転げるような楽音から低域までバランスがよい。リンレンの声もあっけらかんと出ている。No.110の次に良かった。
ギガンティックO.T.N』…No.105は『ギガンティックO.T.N』は駄目だった。ギガンティックO.T.NはNo.66で鳴らすと案の定良かった。No.66はあっけらかんとした音で、スピード感がよく出てるし声も埋没せずよく聞こえる。No.66はその他どの曲を聴いても良かった。常に次点の音だけど、選り好みが少ないのはいいこと。47アンプ(No.108~No.110)もどれもこの曲をいまいち鳴らし切れてなかった。比較するとNo.108とNo.109は台詞が聞き取りにくい。No.110は声が少しタイトに聞こえて好感もてる。オペアンプ2台(パラレル)のNo.98は落ち着いた音になるけど各楽音とボーカロイドの声がしっかりと出てくる。万能型。城下工業のヘッドホンで聴けばどれも悪くはない。世界で最も繊細で神経質な(と言いたくなる)ヘッドホンであるソニーのMDR-SA3000だと良かれ悪しかれこのヴィンテージ・アンプの音を一番素直に堪能できる。補記:No.105ははじめバランス悪く聞こえたけど明るく健全な音だから聴いているとだんだん良くなった。
オペアンプは簡単に取り外せるソケットがついてる

IC(OPA2134PA)を1個取り外したらNo.105やNo.66の音になった。ぜんぜん違う。ココロの鏡音リンの声に生命感が出て、ギガンティックOTNも普通にバランス良く鳴ってる。マジカルぬこレンレンはしっとり度を保ちつつ鏡音レンがあっけらかんと歌ってる。オペアンプの銘柄の違いか回路の違いか、No.66(JBL的)よりも優しくしっとりと鳴ってる。たとえるなら乳液の音。No.109でも同様の変化があった。坂本龍一の『Outlier』は深度は落ちたけれど明瞭で開放的。機種によりけりかもしれないけど、個人的にはシングルの音のほうが好き。ソケットがあるからオペアンプの付け外しは簡単に行える。




納豆は5日目が旨い。牛肉は腐り始めが旨い。
引き揚げてすぐに食べる甘エビは味がしないらしい。





また新たに送られてございまいりました
124…音質確認用に作った1台です。英国製50年代のハンダを使用しています。オペアンプはPMI製OP-14を搭載しています。当方のお気に入りのオペアンプです。終段の抵抗がセメント抵抗ですが、中身はTRWのワイヤワウンドですので、音が悪いわけがありません。少し柔らかめの稽古の音です。
身の軽い日の太陽の光とレンガのように陽性のトーン。鉄筋はオルゴールのように凛とした響き。城下SW-HP10で聴いてもフルテックのADL-H118で聴いてもカラッとした晴天の響きあり。
150…個人店18000円。Siemensハンダ。オペアンプに、テスラMAA741を搭載した中級機クラスのhigh CP機です。終段抵抗に、KITにも使われていますEngland(英国)製のMorgan社製の抵抗を使用しています。とてもジェントルで良いと思います。
オーケストラの響きが厚く濃く、王侯貴族のように格調高くお高く響く。今回フルテックのADL-H118で試聴したけれど城下にはない湿度感に満たされたワールドに連れてかれた。
153…709タイプ、Siemensハンダ。オペアンプに、フェアチャイルド製709AHMを搭載しています。カップリングコンデンサーにWIMA製を採用しています。
ふっくらしている。ほんわか。源氏物語で言うなら夕顔。ミュトス高めな天然サウンドと思う。このふっくらほんわか感は弾力を持たない。液体に溶けるように消え行く。城下工業のSW-HP10に変更するとヒューミッド感はなくなり、水の流れがよくなる。ショスタコーヴィチのピアノ協奏曲1はジャズっぽい楽曲だが、踊るような演奏が聴けるのであつた。
154…709タイプ、Siemensハンダ。オペアンプに、フェアチャイルド製709AHMを搭載しています。カップリングコンデンサーにSiemens製を採用しています。
153より少しスレンダー。骨格の効いてるスケルトンモデル。
164…Philips tropicalfishカップリングコンデンサータイプの試作機です。Siemens 30年代のハンダを使用しています。オペアンプは、PMI製OP-14を搭載しています。主要部品の抵抗をヴィンテージ抵抗を使った高音質仕様です。終段の抵抗は124bニ同じセメント抵抗で、中身はTRWのワイヤワウンドです。
124と似ている。Walkmanに戻すと音が薄くなる。ポタアンで空気感も減衰することはなく、153〜183等のほうが出ているかもしれない。Walkmanの方がすっきりとはしている。
183…英国ハンダ50年代。オペアンプは709系。フェアチャイルド709AHMを搭載しています。電池でも動く用に後部に電池ホルダーをつけました。2025×4個、2032×3個、2016×6個で動作します。お奨めは2025の12V仕様です。カップリングコンデンサーにtropicalfishを使った709系です。
まろやかな味わい。153とは違い弾力があり空間感がある。ピッコロがひゅっと飛ぶ。分離感がある。ほどよく響くし溶けあう。ベストバイかと思う。
185…オークション6000円出品中でした。低価格で、良い音を目指した1台です。他にもWIMAを使ったものも出品中です。オペアンプは、何時ものLF353Nです。この個体は、はじめ英国の70年代ハンダで制作されていましたが、今ひとつ平凡な音でしたので、信号回路を、USA Kirksonの50年代ハンダで付け替えました。DutchBoyの前進ではないかとのことですが、定かではありません。聞いてみてください。実力は十分です。
濃厚感が強い。カマンベールチーズの音色、トーン。円熟の域。。
we755001さんの自作品に採用されているハンダやコンデンサーは考古学の調査で発掘された化石群だが、それが前時代人の方々の手により未使用で温存されてきた場合、普通にノイズのない音が出る。だから年代を簡単には当てられない。でも長期使用すればエージング(老化現象)等で年代を感じるサウンドになる。昔からの喫茶店で使われているサンスイのアンプAU-607Dの音は古美ている。それがまた心地よくもあり。アナクロなアナログオーディオは、ヌメ革のように使い続けて味わいが出るが、それも期待できる。



試聴させてもらったアンプ群は共通して素直な音で、現代の真空管アンプに通じる。真空管のポータブルアンプは消費電力や発熱の関係で存在してない。でもwe755001さんのポタアンは、その代わりになると思いました。






あれから数年、またたくさん、発送してきてございました。今回はバランスアンプも含まれてました。柔らかなバランスアンプは初めてで、新鮮だった。画像のアンプはボリュームなしのモデル。新しい素材の紙を張り付けてある。手書きの文字でいかにも手作り。機械による印字か手書きか、機械好きは人間嫌いでもあるので機械による印字が好まれるが、彫刻で考えると鋳型よりは手彫り・手練りがいい。こちらのアンプはかっきりした再現力をしていた。高品位なLINE出力を備えている機材ならボリューム付きのモデルが好感触だったけれど、ヘッドホン端子に接続してWalkmanやDAPで音量調整をするのであればボリュームなしのモデルの方が有利。