ONKYO A-927(N)


A927


もっと素朴で朴訥な自己主張のない音をイメージしていたのですが、意外にHiFi調で現代風な色鮮やかでキラキラしたほどではなかった。予想を覆してはいないと言えば嘘になってしまうので期待はずれではあるとは言っておくけれど、最悪の結果を深層で意識していたのは確かで、使い古したアンプのような音じゃなくてよかったと思ったのは事実でした。

制動力がないという評判は正しいとも言えなくもない。だからユニットを制御する能力のなさを念頭におかなければこのアンプの能力を発揮せずに一生を終えてしまうとも言えなくもない。スピーカーの音圧レベルが高ければアンプにパワーがなくても鳴ってくれるという筆者の今までの考えはあながち間違いだったんでしょう。低音が命の4312mkUは高音が命のこのアンプではそれぞれ粗雑に響きあってしまいました。全く正反対のモニタースピーカーであらんこともないB&WのCDM1SEで鳴らしてみたら音楽を、このアンプのよさが活きました。marantzよりこのスピーカーを疲れない音で鳴らすことが出来た。色気のないモニタースピーカーが音楽を奏でるようになるアンプ。でもVictorV1Aはmarantzで鳴らしたほうが断然よい風に鳴っていたのでありますことはmarantzの名誉ために云々。ONKYOの簡単に鳴ってくれる柔らかいスピーカーMRXなら低音も4312MkUより軽く出そうでバランスよさげです。

クリアーで微粒子が粒立ち奥行き感はあるけれど主旋律というか骨格は痩せている。無帰還アンプというのはそういうものかな、という実感を体感できる、と悟ったように書き表すことができる。雰囲気はいいのにもかかわらず肉付き悪いのに耳当たりがいいし音そのものが希薄に感じるとはいえ音そのものは鮮度が高く (「鮮度が高い」このアンプを表現するにはその一言に尽きるほど過激なんですが) ボリュームを上げればはっとするほどの思い。だけど表立った部分と曖昧な部分とのコントラストが大きめで、ボリュームを絞れば高音の目立つ部分しか聞こえてこない。あと、低音はオプションのように曖昧で引きこもりだ。
音の傾向を要約すると安直にクラシック向きだということにはなりそうです。
話題性ほど高く評価されてなかったからか、お店にもたくさん売れ残りがあることですし、ぜひ使ってみてください。





A927 解体


相対的に放熱機が小さい。ボックスでいろいろと割り振られている。トランスが真ん中じゃないし、構造はほかの国産メーカーとは構造がちょっと違う構造。木はさすがにパーチクルボードだった。
音のバランスはいいとは言えない。小音量時には高音が目立つ。独特な触感が耳に当たりスピーカーの位置が明白である。ボリュームを絞れば高音しか聞こえてこないようなバランスだから、絞らざるを得ない場合、トーンコントロールは質が高く結構使えるので使わなければ使いものにならないだろう。





A927 哀愁
(2001.11)

高校1年生のときにサンスイにしようかどうか、相当迷った挙句にサンスイにしてしまったという、すれ違いの感傷、そんな想い出深いアンプ。実際聴いてみて印象ついたことは、現代性を持たせたモダンアンティークとでも表現できそうな音造りがなされていることで、もう少しビンテージな音でもよかった(個人的には)。そのへんの調整が市場を見据えての受け狙いに思えないこともないこともないこともない(…こともないこともなかった)。そう思い傷ついて涙する自分でした。





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