PIONEER A-05



パイオニアのプリメインアンプ A-05 (定価12万円)。1996年のモデル。2020年現在、自分の手に入れたものは違和感なく音が出ている。深海魚のように脂のないあっさりした音だけど全体的に抑圧感のない音。さすがステレオサウンドでベストバイ1位に輝いていた名機。外観的にはONKYO A-927(9.5万円)が推しだったけどそれは8位。たしかに音は微妙なモデルだった。でも実物見るとA-05は美しい。当時のパイオニアのフォルム好き。アルミのフロントパネルでお金がかけられている。ヘアライン&シャンパンゴールドのアルマイト仕上げで照明に映える。
A-05は左右独立で中型のトロイダルトランスがL用とR用に搭載されている。それによるものかステレオフォニック感・パースペクティブ感がある。高音の音圧の高さも相まってゲームの電子音は脳天に直撃するが、不愉快じゃない。真空管アンプを使ったあとだと特にそのリニアリティに感動を覚ゑゆ。ただ、音量を下げると世界が褪色する。musicaのRaicho Lucidoに比較すると小さい音が小さくなる。小音量に向いているのはもっと小型の小出力のアンプになると思う。musica Raicho3は微小音の再現性がA-05より高く、小音量の再生がいい。
あとA-05は多くの国産プリメインと同じでずっと聞いてると少し疲れる。増幅率の高い素子を使っているからだろうか。
A-05は音の歪みやノイズを毛嫌いしているようなまじめな作りをしてるけど音色的な魅力は浅い。次の年からはDENON PMA-2000が登場し、ベストバイの順位は蚊帳の外となった。80年以降の生まれの人にとって知られざる名器はA-717A-838で、それこそがザ・パイオニアかもしれない。
ミドル機のA-07(23万円)は僕は聞いた事ないけど、ステレオ誌の取材によるとニュートラルな音づくりですべての音樂再生に向けてチューニングされていたようだ。A-05も同じなのだと思う。A-07はもっと地味な音らしく、A-05よりクラシック向けだと思うけど、A-05は陽気な音で評判はA-07より良かった。ハイエンドのA-09(41万円)やサンスイのアンプは中古市場で価格が若干高騰しているけど、A-05とA-07はなぜか安い。あまりに普遍的で印象に残らないデザインだからだろうか。.+ 業務用みたいな真面目さが光るコンシューマーモデル。+. 僕や私はそうアプローズする。





GAINの切り替え機能がついていて、20dBと40dBをスイッチで切り替えられる。これが高校当時すごく魅力的だった。切り替えると音量が変わる。40dBにすると急に音量大きくなる。自分は20dBのほうが好き。フロントパネルに貼られているシールには「40dB・・・Powerful tone」「20dB・・・Natural tone」と書いてあった。40dBは冴えた音だが空気は抜けてる。刺激を求める中二〜高二なら良いかもしれない。または空気感を必要としない打ち込み系に。
Pioneer_A05_Gain20dB-40dB.wav(Speaker: Unisonic AHT-250F2
↑録音してみたけど録音上は40dBのほうが音質が良いように感じる。(20dB→40dB→20dB→40dB...)






その他 録音:Q Acoustics 3010i