Pioneer PD-HL3



PD-HL3 これが8千円て・・・

レガートリンク・コンバージョン。PD-HL3の音質は明るめで軽妙豊かな階調性で、DENONとも似た橙色のメラメ〜ラが乗っている。(CDPの音の違いは、SONYのCDP-XA5ESなど他のプレイヤーに比べて大きく違うものはわかるけど、ほとんどわからない場合、プリアンプの出力インピーダンスが理想的に低いかパワーアンプの入力インピーダンスが理想的に高いのかもしれない。なのでパッシブプリを使うと違いがわかりやすい。その他の方法としては部屋の外に洩れいずる音を聴くと比較的よくわかる。音が薄まって特質が際立って聞こえる)。
このレガートリンクはDSP的なもの。可聴帯域外まで満たされている自然界の音の再現を目指したものだけど、弦楽よりもポップスの再生のほうが面白い気がした。元々が自然界に存在しない電子音に倍音成分が加わり、電子音のトーンが少し変わる。元々が人工の音なので、それをレガートリンクに生成されても現実も非現実もないだろう。ヘッドホンでCDPの音を聞き比べると、TEACのほうが静かな気分だった。PD-HL3はノリがよい印象。

レガートリンク・コンバージョンの歴史・・・'92年のPD-T09が初出で、'95年のPD-T07SでレガートリンクコンバージョンSになり、'96年のPD-T07HS LimitedでHi-Bit化してこれが最高の型になる。定価10万以内でレガートリンクコンバージョンSを搭載しているのはPD-HS7(\95,000)とPD-T04S(\65,000)で、あとはレガートリンク・コンバージョン。PD-HL3もSではないけど、1997年発売のこのモデルはHi-Bit化している。翌年の弟機PD-HL1(\39,000)はDAC24を搭載し、更にテクノロジー的に音を向上させている。PD-T04Sの現行型になるPD-HL5(\65,000)はZ-コンセプトによりDAC24搭載だけど、Sではない。一覧:synopsis

PD-HL3(\49,000)。コストパフォーマンスの間隙を極めるのもまたたのしい。PD-HL5ともなるとPD-HS7と並んで人気があり、ヤフオクの落札相場は2倍ぐらい。PD-HL3は雑誌でも一年だけすごい下の方にランクインして次の年はPD-HL1なので、かなり見落とされたモデルだと思われる。
高域が50kHzまで伸ばされるSは魅力だけど実はこのPD-HL3も一応40kHz程度までは補完されているみたいだ。意外に盲点。自分が知らなかったことはすべて盲点だね!。間違いない。しかもCDターンテーブル方式。一度円盤を上向きにして入れてみたかった…。そのトレーの動作がまたよくて、ゆっくり出て、二次関数的に加速し、静かに止まる。引きの動作でも同じく、海外のモデルによくありがちな素っ気ない動作はしない。有機的。しかも読み取りが高速だ。そのプシューンという音にまで信頼性を感じるし。PIONEERの光学ドライブはデスクトップパソコン用でもTSUKUMO電気のオタクな社員も一押しだった。特に和田パイオニア工場のものが。極めつけはこの価格帯でゴールドパネル。ゴールドの様な中間色は、東南アジア製品だと塗装ムラが目立つので高級なのである。表面的なアルマイト処理ですぐに色が蒸発したり。ただ、そのゴールデンな高級感が前面だけなのが
貧ぼっちゃま衣装なのだけど。
操作性も…早送りの動作がほどよくて、ビクターのXL-V1は二段階でスピードが切り替わる(遅⇒速)のだけど、これは初めから速いスピード。TEAC / TASCAMは更に高速でうっとうしくないけど、メーターの進み具合などはやや機械的な印象。あと新しい曲に入る時、ふつうはブランク部のDISPLAYは-0:03と、マイナス表示になるのだけど、このパイオニアはその数秒の間、00:00で静止している。それがかっこよかった。なにやら感性が高いぞ。00:00から4秒ぐらい進まないんだぜ。曲が始まってから動き出すんだぜ。