PIONEER S-07 S-007




PIONEER S-07 バイワイヤリングの端子は、バナナプラグ専用


DIATONEとかPIONEERとかVictorはスピーカー技術の集蔵体がでかいので日本人なら一度は使わないといけない。1995年発売のS-07は音を固めすぎずに聴かせるもので当時のトレンドだった。スクエアな形状の前面バッフルといえば思い出すのはこのスピーカー。時間軸合わせと流体構造をとり入れたエンクロージュアは当時めずらしい外観をしていた。しかも全面マホガニー。今やったらいくらすることか。マホガニーについては音響特性がよいとのことで採用されている。音質は全体的にコントラストを低めに設定したような淡手な聴かせ方。ネットワーク・レスによるところか、すごいピュアな音がする。定価60000円のS-UK3でもその音は感じられた。S-07のこれだけの美品は2020年現在となってはかなり高騰する (これより若干状態悪い美品・完動品で8万超えだった)。
欠点もある。裸の音で、キャラクターバランスの合ってない要素も幾ばくかは残ってる。低域方面とは異質な振動をしなければならない高域は、超高域まで鳴らすセミドームで、これがビチビチと弦の弾きが弾いていて、セラミックグラファイトが本領を発揮してる。曖昧さを残した魅力のある中低域とは一層異質な鳴り心地をしている (アンプとの相性にもよるかも)。でもピュアでふくよかな気持ちのよさの中ではそんなシビアな聴き方は続かないもので、マーラーの第九など聴くとすべて忘れ去られてしまいそう。というか寝れる。
HARBETHの初代HL Compact7(300,000円)が発売した年の製品。名器揃いだったな。VictorのSX-V1もあったしDIATONEのDS-A3もあった。つい魔が差して売ってしまってから14年経過。S-C3, S-C5S-UK4 GrandeS-UK5S-PM1000など全部使いたい気分だ(S-PM2000は狙ってたら高騰した…なんでみんな知ってる…って思った)。



これほどの名器は…