SAEC SUPRA Classic6.0 Classic2.5H Classic4.0


SUPRA Classic 6.0 スピーカーケーブル Made in Sweden JENVING社
SAEC

このケーブルはわりと個性的で面白い。
話は逸れますが、導線はもとより被膜の構造や材質によっても音は変わるみたいです。アンプ内部の導線にfo.Q PA-01(振動吸収材)を塗ったときは泣き寝入りしました。電子音はとむかく、アコースティックの音は繊細なのです。簡単に死んでしまいました。PA-01はメーカーのHPから消えました。クレームが来たのか余程使い方を誤る人が多かったのか、あれは振動吸収の度合いが強力過ぎました。私(わたくし)はトラウマとなり、ケーブルのシースに使われてる振動吸収具合も気になり、店頭で各種銘柄のケーブルをさわさわ触感をたしかめ、したため尽くしたあとでしか買えません。触感や叩いた音で、だいたいの音が想像つくのです。そう、テレパシーで。もちろん導体の触感でも以下同文。共振周波数の違いがあるのかもしれません。硬質な導線を使ってるBELDENのケーブルはやはり高域がキーンと抜けていました。C/P高いです。SAECの輸入しているこのSUPRAのスピーカーケーブル(CLASSIC)は、シースの触感はいいです。違和感がございません。導体は触感のとおり、もんやりしたところがあります。錫のコーティングがしてあり、ケーブルの触感は異様に悪いです。錫は銅と導電率が違いすぎるからその表皮効果と同時に電位差が生じている塩梅で、それゆえかどこか病院の薬品くささはあるけどハイブラウな趣に添えられ既に酩酊しています。調合の美とでも申されようか。全体的にはなかなかのスウェーデンな美音と呼べるものでした。まぁ蓼食う虫も好きずきですね。

SUPRA Classic 欠点はこの美しいアイスブルーが経年変化で褪色すること

SANWA SUPPLYのLANケーブルの対応表によると、10mを超える長いケーブルになると単線の方がいいらしい。SUPRA Classicはその逆で、5N高純度銅線を756本も使ってる。線束間の漏洩電流が抑えられているけど、非常に曖昧な、複雑な音になって聞こえる。音の具合がモニターPCと似ているが、SUPRAはSUPRAで錫の物体の固有共振周波数をうまく利用しているためか、艶っぽさがある。雑味もある。ややせわしない。錫メッキの少しキンキンした成分をわずかに感じられるが晴れやかなサウンドなのです。SUPRA Classic 6.0 の名称は導体径(φ6.0mm)に由る。(756本の線材は極細なのでこのタイプの→バナナプラグは作り易い。バナナプラグはそれが真鍮製の場合、音質的にはデメリットしかないけど、この大量の極細の銅線がSP端子の穴の外に逃げまくるという事態が避けられるので精神的には居心地良い。)


QUAD21Lに使ってみた・・・QUADのウーファーのケプラーコーンは、馬の毛みたいな繊細で丈夫そうな繊維で出来ている。馬の尻尾を使われている弦楽器の弓を連想する。出てくる音も弦(ケプラー)&胴体(キャビネット)のように、擦弦楽器の響きに真実味を帯びたところがある。響きがキンキンと奇麗に乗っている。樹脂が含有されておらず乾いた触感で軽く響き、ヒューミッド感はないか平均的な塩梅だが、ソースにはセンシティブに反応し、ケーブルにも影響を受けやすい。と思う。そのケプラーコーンに耳を接近させて比べてみた。その音質はすでに述べました。

Canare 6S8というスタジオケーブル・・・弦がケプラーコーン上で明るく弾かれて微粒子が響く。音の立ち上がりがよい。チャゲアスとか徳永英明とか槇原敬之の古いPOPsのCDは聴きやすくなる。気がした。ONKYO D-77RXなどのスピーカーに使うと意外としっとりとした音も出す。でもなんの面白味もない。それがSUPRAのClassic 6.0の場合は擦弦楽器全體にあるエーテル性が優先されていて、温かみを帯びた弦楽になる。晴れやかに歌いながらも、もんやりとしたのめり気に包まれている。Canare 6S8のような分解能はなかったが、導体の断面積が太い故に解像度は高く、フロア型3WAYでも十分にいける。SUPRAは音楽的に快く、スウェーデンの趣味のよさが宿っている。決してS/Nが高い感じではないけど、なにか飛んでる音がしてる。ハレルヤになっちゅあう。
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