Victor SX-M3 ビクター マグネシウム・ウーファー






横から見た形状は台形でYAMAHA NS-C1000と似ている
最新素材のMg振動板ユニット搭載でウーファーは背面からも固定される
さらにキヤビネット底面には総重量4kgにもおよぶ鋳鉄製ベース&フットを採用
どんな俊敏で機械的な音に変貌するかと思ったけど結構甘くふっくらだった
これより一年先にMgユニットの開発をされたESOTERIC社のMG-10とは
相当に違う音で、MG-10の方は俊敏で音像はUFOのように飛んでくる
SX-M3のほうはウェルバランスに仕上げられていて使いやすいと思う
空気感が春の空にこーんこんこんと豊かにたゆたっていて
色彩はあでやかではないが甘みがほのかに残されてる


AMP + SPEAKER ADYTON
Opera
DENON
2000AE
ELSOUND
EPWS-5
McIntosh
MA-6900G
ROTEL
RC-1062
TINA
POWER
UNISTAR
I2060S
Victor
SX-M3
アンプとの相性:ADYTON OperaはNorwagean Woodの温かみは出てくる。でも国産に比べるとやや燻った感じになる。管弦楽では浸透していない空洞がありザラザラと思える箇所あり。といってもそれほど悪いものでもない。SX-M3はVictorのわりにはセンシティブすぎるゆえに、そういう鳴り口になるけど、ADYTONの音なら満足。英国のUNISTARというアンプの場合、ゲド戦記の『テルーの歌』のヴォーカルの色気がたまらない。
ヤフオクの出品者の方がこのスピーカーはクレルとかLUXMANとか音の濃いアンプのほうがよいと教えてくれた。その路線に沿って知名オーディオで鳴らしてみるとナイーブな感じもちゃんと出て来た。Victorは設計者が若返ったといってもVictorの血筋は継いでいる。現状のユニットより応答性が良く軽量の素材として目をつけていたMgを実用のレベルまでもってきた。ダイヤトーンのB4Cドームの繊細な鳴り方に近いところがあり、DS-1000ZXよりは温度や湿度感があり、応答性よいがアンプのアラを出し過ぎてしまうことも少ない。アンプは現行のDENONやLUXMANなど、たしかにほどよいと思う。Victor自身がアンプ作ってないのでそれらに合わせられてると思う。DENONのAEなど特に繋がりが滑らか。また、SX-M3は重心を低くするために鋳型を使うなど原始的なところがあるのでスタンドもTAOCが推奨されている。





Victor SX-M3 【注】ヤニとか日光で変色しやすい

ユニットは白く、音色も白い。神社の神気のように。
以前のVictorよりあっさりとした。
批評するならLUXMANのM-70fと同じようなことを書くと思う。



結論:2WAYなのにDIATONEのDS-1000ZXと同等の解像度があり(低音の低いところは負ける)、モニター的な描写力も負けてない。B&WのNautilus805Sより物理的にみてC/P高いと思う。管弦楽はB&W Nautilusのほうがバランスがよく空気感も自然だが、Victorはコーラスの肉付きが簡素でないところは秀でている。センシティブな音を出すけど、高域に厭な成分もあまり感じられない。
欠点:特にはない。リッチなトーンながらも、ハーモニーの織り成し濃度には耳がすぐに追いついてしまい、ちはやぶっている側面を僕は見切った。『六三四の剣』の集中力で。十分に音楽性を保っており、ちゃんとVictorの円い音がしてる。・q・




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