CD-17D
形式:CD駆動ユニットは新リニア型CDM12・1と新サーボ/デコーダーIC・CD7採用のデジタルサーボ。
DAC部はデュアルビットストリームDAC7、デジタルフィルター部はSM5841Dの20ビット8fs型。
往年のモデルのように素朴で穏やかな音調があり、現代に通じる清新さがある。
昔のように穿けてなくもなく、現代のもののように豪華絢爛なサウンドでもない。
よく言えば中庸、悪く言えば中途半端なプレーヤー。
CD-17はデザインがよい。白くてお上品なわりに主張がない。
今のブラッシュアップされたキラキラフェイスよりこの当時のやつのほうが好き。
音も中高域の華やいだ感じがなく落ち着いた感触のままに伸びている。
CD-19aはわりと際立つ音がした印象だがCD-17は肌触りが優しい。
解像度的な欲求を満たすには遜色あるがじっくりと堪能できる。
CD-17との違いはデジタル入出力端子(D)の有無で、CD-17Dは1万円高い(\99,000)。
上位機種のCD-16Dは後ろでCD-17Dは前面に端子がついている。
当時流行し始めたMDプレーヤーを最先端のDACで再生できるように計らったもの。
marantz CD17D 3万円以下(中古)
ROTEL RB980BX 3万円程度(中古)
spendor SP-100 25万円(中古)
というめちゃくちゃな価格配分で鳴らしてた。
30kgのフロア型でも遜色のない解像度が楽しめる。
シューベルトの冬の味わい、
ロビー・ロバートソンのネイティブサウンドの遠近感、
エンヤの優しい声、音楽的彩色まで申し分ない。
でもSONYのCDP-XA5ESに比較すると
このシステムならXA5ESのほうが
田園のゆったりとした時間の感じられるスペンドールな雰囲気に合うか。
現代アキュレートなサウンドのB&W705を鳴らした。
705はNautilusよりわりと温柔なので、CDP-XA5ESではヴェールに包まれていた。
B&Wはさすがにマランツとのコンビネーションは抜群で、ヴォーカルに明晰感が出る。
弦楽も埋没することなく前に出てくる。ビートにスピード感がある。
プレーヤーの実力ではなく、トーン傾向が変わるだけで体感速度が上がるもんだ。
そんなオーディオの発見に、夢現つな瞬間がある。
詩篇を訓読しながらたゆたっていたらどれだけ時間が過ぎたのか、月世界が目の前に迫る。