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JBL referense220
1 名前:名前欄空白 2010/05/01 20:47

黒のイヤチップ使うとモノクロデザイン。

JBLは20世紀には政府から莫大な開発費を投資されてベリリウム振動板などを採用した弩級のスピーカーを世に多数送り出してきたアメリカの代表的なブランドで、昔から特にジャズ方面の再現には定評があり、中堅クラスになれば多少ごっつりした音ではあるが、リッチな厚みがあり麻薬的サウンドと評されてマニアを生み出してきた。JBLサウンドという確固たる個性が完成しており、それは鼓膜を震わせ心を鼓舞してきた。エンジニアの音造りに、単なる保証や段取りの連続でない「天才のノウハウ」があったからに違いない。
しかしたとえそのブレイン集団でも、こんなちっぽけなイヤホンといふマイクロな物体に、往年のフロアー型のようなリッチな音を宿すことができるものか・・・、たしかに音空間は立方1cmで対振動板の面積の比率は高いし(間接音ではなく直接振動板からぽわゎ〜んというホールトーンまで構成してくるJBLのフロアー型の在り方にも近いし)、鼓膜に近い分厚みとか造れそうだし振動板も筺体も小さくても構わないが・・・。そう疑っている自分がいた。しかし案の定、それは出なかった。

2 名前:名前欄空白 2010/05/01 20:47
スピーカーでもかつての持ち味の矍鑠とした懐の深さが消えて、すっきりとしたハーモニーを醸す音になっていて、最近ではそれが好まれて製作されているようだけど、このイヤフォ〜ンも決して荒げた音を出さない。若いJBLの音で、パリッと鮮烈な中音、ほのかに甘い舌触りの個々の楽音と、高域寄りの解放感、よく伸びながらも先端のまぁるい物質的な個体音にブランドとしてのキャラクタがかいま見られるが、不要な振動は取りのけられていて、SONYと傾向をともにするしっとりとしたユキビタスな音になっている。往年のごとくジャズやヴォーカルなどで官能を催すような肉体的サウンドではない。むしろ今の学生のようにかなり細身のボディ。AKGのイヤフォンの方がぶっとい音だった。音像はずぼらになっても分厚いサウンドを醸すAKGとは反対に、音の数は少ないが布で漉された音に半端さは感じられない。DSでゲームをしてもしっとりした若い感触が伴いつつ、その音はどちらかというと宇宙に広がるではなく地球の中にある。FOCALのv-modaよりは開放感があるが、全体を包み個々が逸脱しないように生きている。魚が海から空に落っこちないように。