先進国ほど無形価値に支払う比率が高い。安心を買う保険や年金、サーバー使用料や床屋代などなどのサービス料は無形である。労働費も無形。アイデアやデザインもそれ自体は無形である。ミクロ経済学とかやっていた人には耳にタコだろうけど。
ピュアオーディオは車に比較すると原子〜高分子の物体より無形の部分が多く占める。精神的にも音響装置というよりアニミズムやら芸術性やらの要素が大きい。DENONでも原価の割合は売価の15%程度、ORACLEやYBAにもなると5%以内でしょうか。この数値は外食以下だ。吉野家の牛丼並の原価は160円で60%程度(つゆの研究費がそのうちの90円らしい。肉は格安牛。研究費は無形のうちに入るから…25%か)、マクドナルノのハンバーガーも60%前後に調整されているが、回転すしやファミレスになると30%前後。ホテルの和食、フランス料理、中華などの創作料理は20%以下になる。オーディオはそれ以上に低いんですね。でも考えようによってはオーディオの原価率は低くないと感じる。ガソリンとかインクトナーなどの高価な消耗品を伴わないから。それに国産高級機になるとほとんど壊れないから需要と供給のバランスで原価率が相対的に低くなるのは当たり前で。オーディオに没頭しすぎて「よーく考えよーお金は大事だよー」と娘に歌われる人もどうかと思うけど、その良さが価格相応にわかっているなら決して高くはない買い物だと思う。でもどのみち無形の価値が占める割合が高いので煙草も酒も控えるようにしたほうがいいな。感応力が衰えるとせっかく無形的な要素に投資したものが希薄化する。音の官能を濃厚に感じ取れなくなってしまう。一日に感受できる感覚の絶対量は一定である。time
is money?それ以上に禁欲こそ金。僕は感覚を秤にかける思考が得意なのでそういう結論に至った。