感覚の絶対量


あらゆる感覚的絶頂によって削られる感受性。
夢中に掻き毟る頭皮、
繰り返し怒りに耽る、
カリスマった妄想、
あらゆる刺激によって実感の深さは割引される。

一生に感じられる世界の絶対量は一定。
昨日飲み屋でばか騒ぎをしたら今日は完全な白痴だ。
思い出に耽って泣いていた。それはよいかもしれない。
昨日は何度も性行為した、でも今日は完全な無感症だ。

最近刺激がない、と嘆くのは喜ばしいことだ。
刺激のなさは刺激を蓄えることになっているから。
久しぶりの感激に愕きふためくことがあるかもしれない。
だから公園へ行こう。映画館へ行こう。~社仏閣へ行こう。
きっとちょっとしたきらめきが待っている。